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2011年1月14日 (金)

古澤さん。どうか安らかに。

寂しい。この三年弱の間に、古澤良治郎さんの「ね.」のライブ演奏は、10回ほど聴かせて頂いてきたけれど、古澤さんとちゃんと会話を交わしたのは数回しかなくて。・・・渋谷毅オーケストラの休憩時間に「今度、コマーシャルつくるときは、曲つくりますから」って、冗談みたいに言ってくださったのに、それも果たせないまま。そして、最後の会話は、「これから栃木に帰るんですか?」って声をかけて下さったとき、(遠くから聴きにきてくれて)「ありがとう」って。古澤さんの方から声をかけてくださってすごく恐縮したのを覚えてるから、そんな会話だった。気さくに、新春恒例アケタの4日間の演奏を完走した安堵感もあってか、話しかけてくださったのを、思い出す。それが、お別れになるなんて。

ツイッターを見ていたら、すごい数の追悼ツイートが並んでいた。でも、最近のライブ、決してお客さんは多くはなかったし、でも、私は、特にジャズが好きって言うのでもない友人を連れて行っては、友人たちは感激してくれて、こんなに素晴らしくて、しかも一見さんや素人を突き放さないで、音楽の楽しさに引き込む、楽しい楽しいバンド、めったにないのに、って「ね.」のことを思っていた。でも、そう言う私も、藤ノ木みかさんが卒業されてからの「ね」(「ムクル」となった)は、実はちょっと敷居が高くなり、みかさんがご出演のときを狙って、出かけるような、それくらいの程度のファンになってしまったのだが。しかも、佐藤帆さんもお休みするようになったために、更に足が遠のいてしまったことは確かだ。でも、出かければ、必ず、しあわせな気持ちにさせて頂いた。

逆に、ツイッターを眺めていて感じたのは、もちろん、多くの人に愛された古澤さんの、飾らない、そして、優しいキャラクターでもあるけれど、彼の音楽が、私の知らない長い間、様々な場面で愛されてきたということだった。そこは、わずか3年弱のファンでしかない私の出る幕ではないのだ。

でも、そういう往年のファンの方々に伝えたいのは、「晩年」(悲しいけど、こういう表現になる)の古澤さんのライブも、本当に素晴らしかったですよ、ということ。私が言えるのは、それくらい。

次は、いつ「ね.3」のライブが見れるかなと、たのしみにスケジュール表をチェックしていた矢先、届いた突然の訃報。毎年、こうやってアケタで古澤さん達のライブで幕が開けられる幸せを噛み締めていたところ。・・・だから、私だって胸にぽっかり穴が空いたような状態だけれど、でも、永年のミュージシャン仲間の方々や、永年のファン、お弟子さん達のことを思えば、その深い悲しみを想像して、実は、かけられる言葉もない。

今、こんなことを言うのは、軽薄で、思いやりにも欠けると判っていて、敢えて正直に言いたいのだけど。古澤さんのバンドである「ね.」をもう聴くことは叶わないのだけれど、残された素晴らしいメンバーで、出来たら、定期的に、古澤さんの曲のライブを、今までのように楽しくやってほしい。いつか。

私の知るこの数年、古澤さんが演奏されていたのは、聴いているだけで、笑顔がはじける、明るく、楽しい曲が多かった。そして、ソリッドでグルーヴィな演奏はすこぶる痛快で。そんな曲、大好きな曲、音楽、消えないでほしいと、心から願う。古澤さんが集められた素晴らしいメンバーなら、古澤さんの音楽を遺していくことが出来るのは間違いないのですし。

フランク・ザッパが亡くなって、しばらくして、息子のドゥウィージルが父ザッパの曲だけを演奏するザッパ・プレイズ・ザッパというバンドを始め、来日公演は、私も見たのだけれど、それは生前ものすごく見たかったフランク・ザッパではないけれど、でも、そこには、大ザッパの魂が生きている、やはり素晴らしい音楽が、そこにあった。うろ覚えだけれど、ザッパが亡くなったとき、未亡人となったゲイル・ザッパは、「フランクは最後のツアーに出ました」という悲しい告知の中で、「どうか、彼の曲を演奏し、歌ってほしい」と、それだけを願う旨、ファンに告げていたのを思い出す。

7日のライブは、もしかしたら、古澤さんの最後のライブだったのか、その日の感想に「いきなりお墓だぜ」という曲のこと、書いたけど、本当に悲しい日であっても、古澤さんの曲は、思い起こせば、わずかでも笑顔を引き起こしてしまうような、ユーモアに溢れている。いきなりお墓だぜ。・・・それも、古澤さんの優しさだったのだと。今になって気づく。そして、少しだけ笑顔になって、また、寂しい。・・・どうか、愛する人が、みなさん、お元気で、長く生きてくださいますようにと、心から願わずにいられない。

古澤さん、ありがとうございました。ライブに出かける度、生きる力、頂いてきました。本当です。感謝しています。どうか安らかに。

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