◆ね.3@西荻窪アケタの店 2/26
2月の仕事が終わった。短い月でした。
どうしよう。この夜のことは、胸にしまっておこうかとも思ったのだけど。
ひと月、経っている。私も、決して、軽い気持ちで聴きに来たんじゃないのだけど、メンバーの思いは、この「西荻窪」の「アケタの店」で、古澤さんが生前決めていたスケジュールで、古澤さんのいない「ね.」で、「古澤さんの曲」を演奏するということが、どれほど重みのあることだったか。この日のライブ、キャンセルせずに、やって頂いたことに、感謝しかないのだけれど。
アケタの入り口の看板に、みかさんご出演時に貼られている、恒例のみかさん清書によるメンバー表(私も、3年前のちょうど今頃、初めて「ね.」を聴きに行った晩にみかさんから頂いて、今も大事に取ってある)に、「古澤良治郎」の名前がない。それだけで。
◆ね.3@西荻窪アケタの店 2/26
藤ノ木みか(per,vo)石崎忍(as)小野アイカ(g)早川徹(b)福島紀明(ds)
ゲスト:谷口純子(org)
後半飛び入りゲスト:石田幹雄(p)ホットの岡部さん(ds)
「ね.」は、いつも痛快なバンド。楽しくて、面白くて、楽しくて、大好きなバンド。でも、この夜は、そうである以上に、何より、美しかった。曲間に、古澤さんの思い出話たっぷりの、つとめてたのしく、でも聴けばやっぱりしんみりの、長めのMCを挟みつつ進行した渾身の演奏。
前半が「たぶん思ったことあんまりまちがってない」「たまには西荻に遊びに来ませんか」「雨のニューオーリンズ」「僕のキリンが来た」。後半が「オーデュボン・ズー」「いきなりお墓だぜ」「ムーンライト・スランバー」(<岡部さん飛び入り)「ガト」「ゼリー」「ゴンベエ」。ね.では、はじめて聴かせて頂く曲も多くて、きっと古澤さんの長いキャリアを俯瞰するような選曲だったのでしょう。
「悲しい曲が多い。女々しいひとだったから。」・・・最愛のみかさんにそう言われては、天上で苦笑いしているかな。可笑しくて、悲しくて、もう本当にせつなかった。「ガト」から「ゴンベエ」が、その悲しい曲。ゲストの谷口純子さんキーボード、後半飛び入りゲストの石田幹雄さんのピアノを含め、ちょっとこの世のものと思えないくらい、美しい演奏だった。胸がつまって、震え、やっぱり泣きそうになった。
終曲「ゴンベエ」終盤に、福島さんが、メンバー紹介。全員をフルネームで紹介したところが、古澤さんがたぶんいつも呼んでいるように「トオル」とか「シノブ」とかって紹介する古澤さん流を逆に思い起こさせ、そして、最後に、アケタの天井に向かって「古澤良治郎!」と。終わらないで欲しい曲が終わる。
・・・正直、言葉ない。素晴らしかった。
でも、この日の音楽の素晴らしさは、西荻窪の夜空に吸い込まれていく。
みかさんが見た古澤さんの夢に出てきたというウメッシュを、西荻駅前のファミマで買って、夜の中央線で飲みながら東京駅に向かった。
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