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2011年4月 1日 (金)

「入社式」原稿 (これも近況報告として)

同じ社内報に載せた「入社式」原稿。これも近況報告として。

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■平成23年度入社式 挨拶■ 

 ご入社おめでとうございます。本日、10名のご入社を、当社全員で心より歓迎いたします。今日は、これまで皆さんの成長を誰よりも暖かく見守ってこられたご家族にとっても、感慨深い日であることでしょう。どうか日々成長し、立派な社会人となっていくことで、ご家族に恩返しして頂きたいと思います。

 どうか精一杯、会社の仲間とともに、同じ目標に向けて、日々を燃焼してください。そして、日々、新たな「挑戦」を、忘れないでください。そして、積極的に積み重ねる業務経験の中で、どんな時代背景となろうとも、希望をもって生き抜く力をつけるべく、自己変革を繰り返す、社会にとって有益な人材となっていって頂きたい。そして、自らの手で、幸せな人生を勝ち取ってほしい。そう願っています。

 特に、皆さんは、東日本大震災で国民が不安に覆われている時代のご入社です。震災が生じる前も、デフレ経済と、その一方で原料価格の上昇とが、経営環境を厳しくして来た中であり、相当な厳しさを、覚悟をもって受け止めて頂かなくてはなりません。それでも、こうして元気に社会人生活のスタートを切れることは、今回、被災された極めて多くの方々を思えば、幸運なことです。その幸運は、皆さんを受け入れる私達についても言えることです。
 「運」や「偶然」に、人生は、大きく左右されます。そのことを、私達は、今回の震災で、嫌と言うほど思い知らされています。だからと言って、努力を忘れてはならない。志を忘れてはならない。希望を忘れてはならない。どうか、逆境の中、たくましく育って頂きたいと願っています。

 新人の皆さんの中にも、今回の大震災で、被災された方々に対し、自分は何ができるのだろうと、自問された方も大勢いらしたことと思います。そのことについて、先月、内閣府参与にも任命された多摩大学教授の田坂広志さんが、震災後に行った講演録を紹介します。私も同じ気持ちでおります。

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「いま、あなたに、何ができるのか -すべての人が社会に貢献できる生き方・働き方-」(田坂広志)

 東日本大震災

 それは、なぜ、起こったのか?

 日本は地震国だから
 日本は島国だから

 そうした「科学的説明」よりも大切なもの
 それは、「意味」を感じる力

 そして、我々の心の奥深くには、
 いま、共通の感覚がある

 我々の中にある共通の感覚とは
 「この大震災は、起こるべくして起こった」
 ということ

 それは目の前にある、現実

 混迷する政治
 低迷する経済
 共感を失った社会
 倫理を忘れた経営
 働き甲斐の無い労働
 浮薄な文化
 そして
 大切なことを忘れた我々の精神

 実は、我々の誰もが、そのことを感じていた

 我々の中にあった共通の感覚とは
 「いつか、この国は、経済的破綻に直面して
  その大切なことに、気がつくのではないか」
 ということ

 しかし、実は、この感覚の中に、
 すでに、甘い認識が潜んでいた

 2011年3月11日
 何が起こったか

 政治、経済、社会、文化の
 すべての破綻を遥かに超え
 やってきた空前の危機

 一瞬にして失われた
 二万人を超える
 尊い命

 この事実の前に、
 言葉を失い
 茫然と立ち尽くす我々

 この最も痛苦な時期にこそ
 我々が、自らの心に、問わなければならない
 大切な問いが、ある

 この方々の命は、なぜ、失われたのか?

 この方々が、尊い命を賭して
 我々に、教えてくれようとしたものは、何か?

 それは、何か?

 この日本という国は
 生まれ変わらなければならない

 この日本という国は
 永く続いた混迷の時代を超え
 素晴らしい国へと
 生まれ変わらなければならない

 そのことを
 二万人を超える方々は
 尊い命を賭して
 我々に、教えてくれた

 だから、いま、我々は
 心に定めなければならない

 それは、ただ一つの思い

 これから何十年の歳月が経っても
 決して風化することのない
 一つの思い

 いつの日か、我々は、必ず、語る

 あのとき、この日本という国の
 素晴らしい国への再生が始まった

 2011年3月11日
 あの日
 二万人を超える人々が
 その尊い命を賭して
 我々に、願いを託してくれた
 
 そのお陰で
 その尊い命のお陰で
 我々は、立ち直ることができた

 あの永く続いた、混迷の時代を超え
 この日本という国は
 素晴らしい国へと
 再生することができた

 いつの日か、必ず、そう語ろう

 では、そのために
 いま、我々が、為すべきことは、何か?

 この思いを風化させず、心に刻むこと

 では、思いを風化させないためには
 何が必要か?

 命を失われた人々への、共感

 では、共感とは、何か?

 共感とは、同情や憐憫とは違う

 共感とは

 目の前にいる、一人の人間の姿が
 自分の姿のように思えること

 大地震と大津波
 人間を分け隔てない出来事
 年齢、性別、地位に関係なく、襲いかかる災難

 ほんのわずかな人生の偶然の違いで

 自分もまた「被災者」になったのではないか

 ここにいる誰もが
 「被災者」になったのではないか

 あの方々の姿は、自分の姿ではないのか
 あの方々の姿は、我々の姿ではないのか

 最愛の夫と娘二人を失い
 独りぼっちになってしまった
 と悲しむ女性

 がれきの中から、妻の乗っていた車を見つけ
 見つけてしまった
 と嘆く男性

 それは、我々の姿ではないのか

 共感とは、何か
 あの方々は、そのことを教えてくれた

 では、その共感を胸に抱き
 いま、我々が、為すべきことは、何か?

 為すべきことは、ただ一つ

 目の前の仕事

 その仕事に
 深い使命感を抱き
 高き志を重ね
 心を込めて取り組むこと

 その、日々の仕事を通じて
 素晴らしい日本を、創る

 我々は、いま
 その決意をこそ、固めなければならない

 我々は、いま
 その思いをこそ、定めなければならない

 その決意を固め
 思いを定めたとき
 すでに、我々の歩みは始まっている

 日本という国において
 「働く」とは
 「傍」(はた)を
 「楽」(らく)にすること

 日本という国において
 「企業」は
 本業を通じて
 社会に貢献する

 希望とは、何か?

 希望とは
 「悪しきことがあっても
 いつか、良きことが起こる」
 という意味ではない。

 希望とは
 「すべての起こることは
 必ず、良きことに結びついている」
 という意味

 我々は
 この東日本大震災を
 いかなる眼差しで見つめるか?

 我々は
 この東日本大震災を
 必ず、
 希望へと転じていく
 
(2011年3月23日 社会起業大学記念講演録より抜粋。一部改稿)
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 また、私には、大切な人がなくなる度、思い起こす一片の詞があります。

 And when I die
 and when I'm dead, dead and gone
 There'll be one child born
 And a world to carry on

 私が死ぬとき
 私が逝ってしまうとき
 ひとりの子供が生まれる
 そして、世界は続いていく

 (“And When I Die”Laura Nyro:1966)

 あなた方は、日本社会にとって、つい3週間前に失われた多くの命の傍らで、新しく生まれた「子供達」です。私達自身も、そうありたい。幸運にも被災を免れた私達が、私達自身の中に、新しい「命」を頂いたと思うことで、私達の代わりに2万人以上もの方々の尊い命が失われたことを、希望へと転じていかなければなりません。皆さんとともに、「私達の仕事」を通じて、社会に貢献していく思いを、新たにしたいと思います。

 これから始まる社会人としての人生に、どのような困難が待ち受けようと、大震災発生後、間もなくの2011年4月1日に、大きな決意で、ご入社されたことを忘れず、社会に喜びを与える「私達の仕事」に、全力を尽くす思いを持ち続けてください。
 社会人として、当社の社員として、これから学ばなければならないことは沢山あるでしょう。しかし、何より、震災直後の、今の思いを持ち続けること。私達も、あなた方とともに、新たな思いで、新たな命を頂いたつもりで、スタートを切ります。

 私達の仕事は、高い品質の、価値ある食品を数多くの生活者に届け、彼らの食生活を豊かにしていくこと。そして、それを永く続けていくために、当社を、強い会社・良い会社・正しい会社にしていくことです。これから、共に、使命感を持って、がんばりましょう。

 今日からの人生が、日々、輝きに満ちたものとなるよう、皆さんのこれからの成長に大きな期待を込めて、お祝いの言葉とします。

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