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2011年5月

2011年5月13日 (金)

【アーカイブ】渋谷さんと出会った頃(2008~2009年mixi日記より)

また、アーカイブ。(ライブ日記は、震災を前後して、休止中です。)

(たぶん)アケタの店でよくお見かけする桜井さんがtwitterで、かつて渋谷さんの演奏に救われたこと、お書きになっていたので、私も同じような経験をしたなあと思い、自分が渋谷さんの生演奏に出会ったのは、どんな時期だったかなと振り返ってみたら、2008年4月だ。この年の1月末に、「中国毒餃子事件」の報道があり、中国産食品叩きが全国民的な関心事になっていた頃だった。会社、本当に大変でした。

ご丁寧に「私は中国産の食品は食べませんので、せっかくの頂き物ですが、貴社の製品、捨てました」とのお手紙を頂戴したりしたこと、正直忘れない。当時、売上も激減。社員は、つつましくはあるが誠実に地味な食品を一生懸命原料調達・製造・安全管理・販売をしてきたつもりだった。なんという「国民性」だろうと、悔しい思いは尽きなかった。そんな時期だった。その頃、渋谷さんの音楽に救われたと感じた私は、逆に、仕事一辺倒の生活態度を変えていく。開き直り?そうかも。でも、開き直ったのは、会社にとっても良かった面もある。今回の震災時にも感じたことだけど、こういう危機が起きた時、働く人々の心には火がつく。当時、社員が本当に頑張ってくれて、いわれなき偏見によって引き起こされた状況を、なんとかしのいだ。その頃、その会社の社長が、ひとりの人間として「生きる」ことの大切さに気づくような揺り戻しをかけて下さったことは、会社にとっても大きかったのではないか。人生は、運に左右もされる。ただ、信じた道を行くしかない。それぞれの人生には、楽しみがなくちゃいけない。好きで好きでどうしようもないことだったら、やっぱり時間を割いていいんだよとか。そんなようなことだけど。(・・・つまり、心底は開き直れてない。性格だもの。)

以下のmixiアーカイブでは、その渋谷さんとの出会いのことが、一年後に記録されている。mixiでは、楽しいことを中心に書きたいと思っていたので、当時の仕事のややこしさには、触れていない。でも、だからこそなのか、渋谷さんの演奏に触れたときの「しあわせ」が、溢れている文章だ。自分の文章を読んで、ファンなんて独りよがりで盲目で馬鹿みたいなものだなとも思うけど、今でも、ほとんどこの感覚は変わらないんだ。

アーカイブ①に書いてある渋谷さんを最初に訪ねた夜。一曲目は、「メモリーズ・オブ・ユー」だった。身体の全部の血が入れ替わるような気がしたのを憶えている。・・・渋谷さんの、大昔の、最初のアルバム『ドリーム』の一曲目だ。そうであることにも痺れた。かなりショックを受けた。

ムーンライダーズの大ファンだった高校時代、小川美潮さんの最初のソロアルバムの最後の曲「花の子供」のピアノがあんまり素晴らしくて、クレジットを見たら「渋谷毅」とあった。ずっと記憶に残り続けた。それが、最初。・・・それから、10年ほど経って、小沢健二の大ファンになって、チケットをどうにか取ることが出来て大阪まで繰り出したloversのコンサートで、川端民生さんとのトリオで、渋谷さんの生演奏を初体験している。素晴らしかった。それからまた10年ほど。・・・でも、おかあさんといっしょの「あ・い・うー」は、もっと小さい頃、大好きだったような気がするし、最近になって、オリジナルの「見上げてごらん夜の星を」を改めて聴けば、渋谷さんの編曲の美しさに驚く。そうやって、少年時代から、身体の中に、なにか入っていたから、こうなったのかもしれない。

mixiアーカイブは、5回分の投稿。渋谷さんの演奏に出会った2008年の記録として、引っ張り出したもの。でも、翌2009年の投稿が主です。

■① しぶやさんといっしょ!!予告編 2009年04月03日17:05
■② しぶやさんといっしょ 2009年04月05日02:52
■③ 2008年に、通して聴いた音盤のリスト 2008年12月31日18:42
■④ 2008年に聴いた音盤についての感想(総括) 2008年12月31日18:44
■⑤ 2008年に出かけたライブ(とその周辺)のリスト 2008年12月31日18:46

ひとは、幾つになっても、恋をする。そして、恋は、端から見れば滑稽なものでありましょう。でも、同じく恋する(?)桜井さんへの返信として、再掲します。

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■① しぶやさんといっしょ!!予告編 2009年04月03日17:05   

4月4日(土)
合羽橋 なってるハウス
open 19:30 live start 20:00
予約¥2,800当日¥3,000
「しぶやさんといっしょ!!」
渋谷毅(歌,p)
かわいしのぶ(歌,b)
藤ノ木みか(歌,per)
外山明(ds,歌)
ゲスト:
上村勝正(b)
小川美潮(歌)
さがゆき(歌)
平田王子(歌)

ライブ日記、初の予告編です。

これは、書くのが何回目かわからないくらいだけど、mixiにライブ日記を書くようになったのが今年に入ってからで、「しぶやさんといっしょ」の日記は、まだ書いていないので、同じこと書きます。(経営者は、同じこと、へーきで言い続けられるかどうかにかかっている、なんちゃって。)

去年の4月5日が、渋谷毅さんのライブを初めて見に行った夜でした。(13年前の小沢健二コンサート「lovers」@大阪を除く。)4月4日で、ちょうど1周年になるんですね。

最初(4月5日)は、アケタの店の夜中のソロだったんですが、たまたま妻子が和歌山の実家に帰省中で、今なら誰にも迷惑かけないし、いいかななんて思って出かけて行きました。

というのは、当時2歳の娘が「おかあさんといっしょ」を大好きになって、年柄年中、番組やうたのDVDを見るようになっていた時期、私の方は、作曲クレジットに、それは注目します。そしたら、「ふたりでひとつ」とか「あしたのあしたのまたあした」とか「木もれ日のうた」「夢の中」「くじらのバス」などなど、渋谷さんの作品がとりわけ美しくて、それは、私も永年の音楽ファンのはしくれ、渋谷さんのお名前は存じ上げていたから、「すばらしいピアノを弾くひとなんだよ」なんて妻と話したりしていました。それで、妻に聴かせるために、CD棚から渋谷さんのアルバムを引っ張り出したのですが、四〇過ぎて、多少ものわかりが出てきた自分の耳には、つよくひっかかってしまい、ああ、こんなによかったんだなあ、このアルバムを買ったころは、もっと威勢のいい音楽に夢中だったし、「ジャズ」ってものに距離を感じていたから、3枚止まりだったんだなあって思って、久々に、じっくり聴かせてもらって、「やっぱりいいなあ・・・」なんて思っていたのです。(過去持っていたのは、『エッセンシャル・エリントン』『渋やん』『ホームグランド・アケタ・ライブ』の3枚。たぶん、新星堂に出かけることが多かったので、手に入れていたんでしょう。)

そして、渋谷さんのことでググっていたら、4月12日に「しぶやさんといっしょ」というライブがあると知りました。そして、渋谷さんの大ファンであるbougaipponさんのブログで過去の同じライブの詳しい内容を知り、これはもしかして娘に聴かせたら喜ぶだろうなあと思って、去年の2月13日に、アケタの店に問い合わせのメールを送ったのでした。

「渋谷さんのつくられた童謡には、2歳の娘や家内ともども、あたたかい気持ちにさせていただいております。
 この日は、昼間のライブになりますか?
 また、子供を連れていっても大丈夫でしょうか?
 それから、前売りチケットはありますか?」

みたいなメールです。アケタの店のことは、いろんな場所で目にしていたから、敷居の高い本格的なジャズの「怖い」お店という印象はあったんだけど、こういうのは成り行きなので、あえて、メールしてみたのです。

そうしたら、アケタの店のマネジャー島田正明さんから返事を頂いて、

「4/12の演奏は、夜の部になります。
 演奏開始は、7時半過ぎから休憩をはさみまして、10時半前後に終わると思います。
 ご存知かもしれませんが、渋谷さんは普段はジャズ・ピアニストとして出演されており、この日は、自作の童謡もたまには、といった企画でして、純粋に童謡をという趣旨ではないかもしれません。
 また、店の営業もライブハウスですので、2才のお子様には、不向きであるかもしれません。
 予約や前売り等はありませんので、よろしければお越し下さい。」

というものでした。で、なんだか気にかけていただいて、うれしかったので、すぐ島田さんに返事を送ります。

「ご丁寧に返信ありがとうございます。
 10:30終了では、さすがに、娘にはキツイですね。残念ですが、今回はあきらめます。「今度、是非、昼の部でも」と、少数意見があったこと、渋谷さんにお伝え頂けましたら幸いです。
 渋谷さんのピアノ、『渋やん』や『エッセンシャル・エリントン』等を愛聴しています。
 2歳の娘も、渋谷さんの「イン・ア・センチメンタル・ムード」とかも、好きなようなんですよ。曲が終わると、指を立てて「もう一回!」とか。だから、「くじらのバス」や「ふたりでひとつ」(2歳にしてフルコーラス歌います)ばかりでなく、きっと、騒がず、楽しむとは思うのですが、でも、まださすがに早いでしょうね。
 娘が少し大きくなる頃にも、同じ企画があることを期待しています。
 いつか、アケタの店、伺います。
(実は、あまりに有名で、敷居が高い気がしていまして、東京在住時代には行くことが出来ませんでした。島田さんに頂いたメールで、 敷居がぐっと低くなったような気がしています。)
 そのときを楽しみにしています。
 ありがとうございました!」

と送りました。そうしたら、島田さんからメールを再度頂いて、

「アケタの店の島田です。
 自宅からです。
 先のメールを渋谷さんに転送したところ、

> わっ、すごい人からの問い合わせですね。
> うれしいけど、さすがに2歳でアケタはきびしいですね~。
> 4、5歳になるまでがんばってやりますか(笑)。

との返事が来ました。
いつかご都合の良いときお越し下さい。」

とのことでした。「すごい人」というのは、全然すごくないんですけど、私の会社の商品を、渋谷さんのご長男がお好きでよく食べてくださっていたからなんです。偶然は面白いですね。それはさておき、私の娘のためにも、もうちょっとがんばりますよって、当時69歳の渋谷さんから言って頂いたのが、もうとてもうれしくなってしまい、島田さんに返信を送ります。その朝撮ったばかりのシャボン玉を吹く娘の写真つきの親馬鹿丸出しのメールです。

「大感激で、メールを読ませて頂きました。
 本当にありがとうございます。
 ・・・。
 とても幸せです。
 近いうちに、一度、アケタの店に、ライブに伺わせて頂きます。
 娘も大きくなったときに、このお返事に感じた私のうれしさがきっとわかると思うんです。娘に特別なプレゼント、ありがとうございました。
 (以下、親馬鹿な話がつづきます。くどいので略します(笑))」

そして、ある日、渋谷さんのブログを発見します。(遅い?)

こんなことが書いてありました。

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★しぶやさんといっしょ(ちょっと先の話)★
2008/02/28 木曜日 - 17:56:03 by tshibuya

「しぶやさんといっしょ」(かわいしのぶさん命名)というのはもちろん「おかあさんといっしょ」をもじったものだけれど、このタイトルでは昨年12月に「なってるハウス」で一回ライブをやって(タイトルは違うけれど同じようなことを何回かやっている)、で、こんどは場所をアケタの店に変えてこれをやろうというわけ。4月12日(土)。
これは要するに「おかあさんといっしょ」や「テレビ絵本」などのために書いた曲と、由紀さおり、安田祥子姉妹のために書いた曲などを、かわいしのぶさん(b、vo)、藤ノ木みかさん(perc、vo)に歌ってもらう、という内容で、そこでどさくさに紛れて自分も歌ってしまおう、という大それた考えもあって、見方によればそっちの方が大事ということもある。
そうなれば、外山さんも歌うというだろうし、他にゲストも何人か登場して歌うということになるから、この日のアケタの店はいつものアケタの店とは別の店になる(んなことないか)。

既にアケタの店に問い合わせがあったそうで、それが「うちの2歳になる子供を連れて」という話で、さすがの島田くん(アケタの店マネジャー)もびっくりして、それはどうでしょうか、終わるのが夜10時半で、たばこの煙はもうもうだし(といったかどうかわからないけど)、決して健康によくないだろうし、という話をして、せめて子供が4、5歳になるまで待ちましょうということになった。
なんだかうれしい話で、この二三日、この話を思い出してはにやにやしている。こうなるとあと何年かこのシリーズをやらなくてはいけなくなって、しかしそれはこちらの望むところだから、せいぜい健康に気をつけてその日を待つことにする。

【しぶやさんといっしょ・どんぐりころころ編】
4月12日(土) アケタの店 (←注:去年です。お間違えなく!)
かわいしのぶ(b、vo)
藤ノ木みか(perc、vo)
外山明(ds、vo)
渋谷毅(p、vo)
guest
上村勝正(b)
平田王子(vo、g)
小川美潮(vo)
古澤良治郎(perc、vo)

あ、【どんぐりころころ編】に特に意味はありません。
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ちょうど、この頃、私は、渋谷さんの古い音源を探し回る旅を始めた頃で、さがゆきさんの『Day Dream』や『see you in a dream』、華乃家ケイさんの『たそがれの夢』、そして、由紀さおり・安田祥子『あの時、この歌-オリジナル・ソング・ブック-』など、聴けば聴くほど、惚れ込んでいってる矢先に、渋谷さんが私の問い合わせのこと書いてくださっていたのを半月遅れくらいで見つけたものだから、驚いて、うれしくて、これを見つけたときは、「わあ、すみません・・・。」という感じになっていて、やっぱり一人ででも行こうと思い直していました。

それで、なにより、渋谷さんと島田さんに、お騒がせしてしまったお詫びとお礼をと思い、漬物持参で、アケタの店に伺うことにしたのでした。それが、ちょうど1年前。4月5日の深夜です。

その真夜中のライブは、はじめてのアケタの店の雰囲気に、「ああ、なるほど。こういうお店か。すばらしい・・・。すばらしすぎる」と思いながら、渋谷さんのピアノを聴かせて頂いて、それがまたあんまり素晴らしくて、しかも、休憩時間に、いろいろお話させて頂いて、それもたのしくて。

当時、私の仕事は本当にしんどい状況にもあり、しかもまっとうなことくらいはやってるつもりでいたのに、社会からいわれなく後ろ指をさされるような事態に陥っていたため、自分を見失いつつある時期でもあった。それが、渋谷さんのピアノが、たぶん、ずっと、同じように、同じような曲を、たんたんと、弾いてこられたであろうこと、それも、その夜中のソロがもう10年以上も同じように月一回のペースで続けてこられたと知り、そして、そうである人の凄さも見てしまったような気がして、ものすごく救われた思いがあった。感動してしまったのです。

「いいんだ。俺も、フラフラしなくて!」って思ったんですね。「また来ます!」と力強く言って、お別れしたのを思い出します。(実際、月いちのアケタ夜中のソロは、一年皆勤してしまいました。)

で、4月12日は、結局、ひとりでアケタの店に伺うことになったのでした。12日の「しぶやさんといっしょ」では、小川美潮さんとの再会があり、かわいしのぶさん・藤ノ木みかさん・古澤良治郎さんらとの出会いの日でもあって、それぞれの素晴らしい音楽に、そこからお付き合いが広がっていくことになっていきました。それだけ、たのしくてあたたかくてなんともいえぬライブが、この「しぶやさんといっしょ」だったのです。

一年経ってみると、藤ノ木みかさんに素晴らしいロゴを書いて頂いた「みんなのキムチ」がいよいよ月末には発売開始になりますし、かわいしのぶさんに間に立って頂いた柴草玲さんのラジオ番組の提供が、明後日始まる、というようなことになっている。それまでにも、いろーんなことがあって、たのしい一年でした。

それよりなにより、なんか、人生観、みたいなものが、一年前と随分ちがうんだよなあと、これは自分にしかわからないことですけど。

この一年で、ライブ、60回近く出かけているんですが、その大半が、自分の中では、「渋谷さんとその周辺にいらっしゃる方々」のライブなのです。同じ尺度で言えば、昨年聴いたCD類が400枚くらい。その大半が、やっぱり「渋谷さんとその周辺にいらっしゃる方々」の関連盤でした。(あ。「友達の友達は友達だ」みたいな理屈で、私の中でつながってるだけかもしれませんが)

1年前、中国食品叩きで荒れ果てるかに思えた会社も、なんとか再建を果たし、売上も順調に回復中で、会社も明るさを取り戻してきましたし、この1年は結構濃密な時間だったのです。

そのきっかけとなった「しぶやさんといっしょ」。

いよいよ明日です。

みなさん、どうぞお見逃しなく!!!

(ちょこっと追記)
日記にはじめて写真をアップした。チラシ。毎回、しのぶさんが描いていて、とってもかわいい。しのぶさんの絵に、渋谷さん・みかさん・外山さんが塗り塗りしたものとのこと。「第一号ね!」と言って、蜂谷真紀さんとのライブの日に、渋谷さんから頂いたのは、私です(笑)。よく見えないかもしれませんが、線路が鍵盤になってて、桜散るなか、電車が走ってる。渋谷さんの手もとに焼酎。今までのチラシの中でも一番好きだなあ。毎回、このチラシも楽しみなのです(笑)。渋谷さんのブログに2枚並べて載せてあったので、私は3枚載せてみました。

僕は、渋谷さんご出演のライブ、明日が35回目でした。(小沢健二を含めると36回目)。

12ヶ月でだから、月3回ペースなんですね。
全然「追っかけ」とかじゃないですから(笑)。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの」

・・・みたいなのが、一番いいと思ってるんだけど、でも、住んでるところと、他にやってる仕事(パパ業?)から考えると、ちょっと近づき過ぎているかも・・・。(苦笑)

■② しぶやさんといっしょ 2009年04月05日02:52

●4/4(土) 「しぶやさんといっしょ」@合羽橋 なってるハウス

(前の日記から続きますが)
・・・で、

とてもとても楽しかったです。

1周年、35回かあ、なんて思っていたけど、全然、飽きないなあ・・・。奥深くて、あたたかくて。

今日は、大好きな「つるべおとし」がなくて、それだけ、ちょっと残念だったけど、新曲2曲、どちらも大好きな曲で、うれしかったなあ。よかったなあ(←いつもの感想です。すみません(笑))。

平田王子さんの「初恋の丘」は、渋谷さんのピアノ、この日一番というくらい、のびのび遊ばれてて、伴奏という域を超えて、美しかった。あ、「歌伴の渋谷さん」も大好きですけど、最初のゲストということもあってか、ギラリと気合いのようなものが。

つづいて、王子さんの「音楽の理由」は、このライブではすっかりお馴染みだけど、渋谷さんのコーラス、はじめて聴いた。渋谷さんが歌いたくなる気持ち、とてもよくわかる美しいフレーズ。歌詞、よく覚えられたなあ(笑)。前半のハイライトでした。王子さんのボサノバ・ギターと渋谷さんのピアノの相性、やっぱりとてもいいんですね。王子さんと渋谷さんのデュオのライブ、時々やってらっしゃるけど、まだ聴きに行ってない。次は、5月にあると伺ったので、それを楽しみにします。

後半、さがゆきさんは、WMAの名曲「レット・ミー・コール・ユー・スウィートハート」につづいて初披露の「青いシャツ」。この曲は、僕も、去年、渋谷さんの、歌謡曲/ポップスの作編曲家時代の作品の発掘作業中に見つけた美しい曲で、実は二度ほどメールと会話とで、畏れ多くもリクエストしたことがあった。たぶん、それにこたえて下さったわけではなくて、最近、レコードコレクターズという雑誌で、その時代のことを中心に、渋谷さんがインタビューを受けていて、その模様は、前中後編3回に分けて、同誌に掲載された。そのインタビュアーは濱田さんという方で、確か彼は『ソフトロック・ドライヴィン』という、埋もれた古い日本の歌謡曲/ポップスのオムニバス・アルバムのシリーズを監修している。私が「青いシャツ」を聴いたのも、そのコンピレーションだった。たぶんその縁がきっかけで、渋谷さん、最近、再認識されたのではと想像するのだけれど、1周年の自分としては、私のリクエストにこたえて引っ張り出して頂いたものということにして、ありがたく、うれしく、聴かせて頂いた。しかも、さがゆきさんの歌だ!嬉しいプレゼントだった。

曲の美しさは、時代を超えて、輝いてる。でも、由紀さおりや森山良子に書かれた諸作と同様、歌詞は、さすがにその時代を映しているので、いくら渋谷さんの大ファンの私でも、古くさくは感じる。今の時代に、35年前の主人公の女性に共感できるかと言ったら難しい。でもでも、部分に美しいイメージが宿っていて、そこが、今の耳には、むしろ全体像にうつる。この曲が好きなのは、まず、あの時代の渋谷さんらしい、品があってさびしくてやさしい、美しいメロディ故なんだけど、それだけではなくて、そういうイメージの広がりでもあった。ゆきさんのうたは、オリジナルよりずっと、「自分のものではない青いシャツが届いた」という、それだけの美しいイメージに貫かれた印象を残して、今のうたになってしまっていた。スゴイ!と改めて感じました。

そして「雨の遊園地」。美しい童謡。ゆきさんと渋谷さんの『see you in a dream』で大好きになった歌。渋谷さんの作品ではないけど、しぶやさんといっしょにぴったりの曲だと、1年前から思っていたので、前回ゆきさんが出演されたとき、歌って下さって、本当にうれしかった。今回も素敵でした。ああ、今月の渋谷さんとのデュオ、中村八大集、聴きに行きたいなあ。盛岡か、遠いなあ。

美潮さんのうた、たっぷり聴けて、こちらも大満足。
最新アルバムで金子マリさんが担当していた「あやとり」を、今日は美潮さんが歌われて、また違った輝き。こんなに手触りが変わるんだなあって、当たり前でしょうが、やはり感慨深かった。次回、「両手に花」では一体、お二人のうち、どちらが。美しい曲だなあと改めて。

余談。『MARI sings along with SHIBUYA-SAN』は大好きなアルバムだけど、でも、ライブ音源部分の収録日に横浜で、そのライブを見ている者としては、せっかくなら、美潮さんのパートも収録して、「両手に花」の形で出して欲しかったというのが、偽らざる気持ちで、昔、それを渋谷さんにチラッと言ったとき「そうだよねえ!」と、珍しく、私の勝手な意見に間髪入れず同意があった。大人の事情があるのかなあ。

閑話休題。そして、「両手に花」の核の曲でもある「ディア・ミスター・オプティミスト」をしぶやさんといっしょでは、はじめて聴かせて頂いて、なんとも特別な響き。そっかあ、渋谷さん、共演される方ともあんまり話はしないんだな、それはわかる・・・。そういう意味では、この歌は、渋谷さんの音楽を媒介にして、渋谷さんを囲む方々と渋谷さんとが対話しているみたいなライブでもある「しぶやさんといっしょ」にもぴったりの歌だったんだなあと思いました。「両手に花」のハイライトで金子マリさんとお二人で歌われるときは、別の意味になってて感動を呼ぶし、美潮さんのオリジナルではまた別の具体が伴っていたんだろう。名曲ってのは、こういう多面性を、備えているんですよね。美人が、色んな角度で見たとき、それぞれ違って、しかし、それ故、美人であるというようなものかな。

曲順は前後するけど、私も心底愛している「はじめて」。今日も聴かせて頂いて、感謝でいっぱい。渋谷さん、ばっちりコーラスつけるようになりましたね。渋谷さんは、この歌を美潮さんと歌いたいのが、しぶやさんといっしょを続けている、ひとつの理由であることでしょう。そうに違いない(笑)!

やっぱり、渋谷さんのピアノで歌う美潮さんは、格別だなあ。贅沢なひとときでした。

歌のゲストの方々のこと、中心で日記にしましたが、しのぶさんの他に、上村さん、大川さんのベースも楽しませて頂きました。毎回思うことですけど、「ラストワルツ」みたく豪華でした。

しのぶさん、みかさん、外山さんが素晴らしいのは、もはや当然なので、書きません!だって、あなた方のおかげで、私は、一年のはまり道に入ったのですから。今日も、とてもとてもたのしかった。一年間、本当にありがとうございました!!!愛を込めて。

次回、7月、アケタの店35周年記念「しぶやさんといっしょ特別篇」が本当に楽しみです!

4曲の新曲のうち、却下された2曲はなんだったのか、ものすごく知りたいなあと思いつつ、この長い日記を終わります。

★しぶやさんといっしょ
2009年4月4日(土)
合羽橋 なってるハウス

渋谷毅(歌,p)
かわいしのぶ(歌,b,toys)
藤ノ木みか(歌,per)
外山明(ds,歌)

ゲスト:
平田王子(歌,g):10~13
さがゆき(歌):15~17
小川美潮(歌):19~25
上村勝正(b):20~22
大川俊司(b):24,25

01 あしたのあしたのまたあした
02 こんなこいるかな
03 くじらのとけい
04 雨だれピチカート
05 夏だよ海だよ音頭だよ
06 カニのおじさん
07 リンゴ村だより
08 雪はこどもに降ってくる
09 春のさよなら
10 月のうさぎルーニー
11 ほしのうた
12 初恋の丘
13 音楽の理由
(休憩)
14 夢のなか
15 Let Me Call You Sweetheart
16 青いシャツ
17 雨の遊園地
18 あっちこっちたまご
19 おおきいてちいさいて
20 ちょっとまってふゆ!
21 ふゆっていいな
22 あやとり
23 キリンのかあさん
24 はじめて
25 Dear Mr. Optimist
26 さるが木からおっこちた
27 ぼくのミックスジュース
(渋谷さん式アンコール)
28 ふたりでひとつ

こう並べて眺めると、また楽しさがよみがえりますね。

2部の最初に、「しあわせであります。」と照れておっしゃてた渋谷さんが、とても印象的。いやあ、ぼくらもです。お裾分け頂いてます。

***************************
ちなみに、一年前、最初に聴かせて頂いたときは、こういう曲目でした。
★しぶやさんといっしょ どんぐりころころ編
2008年04月12日(土)
西荻窪 アケタの店

渋谷毅:vo pf 
かわいしのぶ:vo bass 鍵盤ハーモニカ rings 
外山明:vo ds 
藤ノ木みか:vo per

ゲスト
平田王子:vo gt(08,09) 
上村勝正:bass(13~16) 
古澤良治郎:vo(15,16) 
小川美潮:vo(19,20)

(記載の無い物は全て 作曲:渋谷毅)
01.あしたのあしたのまたあした(作詞:井出隆夫)
02.こんなこいるかな(作詞:日暮真三) 
03.くじらのとけい(作詞:関和男) 
04.あまだれピチカート(作詞:山川啓介)
05.りんご村だより(作詞:山川啓介)
06.秘め事(作詞・作曲:かわいしのぶ)
07.びわ(作詞:まどみちお 作曲:かわいしのぶ)
08.初恋の丘(作詞:北山修)
09.音楽の理由(作詞・作曲:平田王子)
10.つるべおとし(作詞:松本隆)
11.ぼくのミックスジュース(作詞:五味太郎)
(休憩)
12.どんぐりころころ(作詞:青木存義 作曲:梁田貞)
13.ちょっとまってふゆ!(作詞:村田さち子) 
14.ふゆっていいな(作詞:日暮真三)
15.ハローおさるさん(作詞:しぶやしげお) 
16.いきなりお墓だぜ!(作詞・作曲:古澤良治郎)
17.サランラップの歌(作詞・作曲:かわいしのぶ)
18.夢のなか(作詞:日暮真三)
19.キリンのかあさん(作詞:佐藤雅子)
20.はじめて(作詞:小川美潮 作曲:小川美潮・板倉文) 
21.かにのおじさん(作詞:関和男) 
22.雪はこどもに降ってくる(作詞:山川啓介)
23.春のさよなら(作詞:山川啓介)
(渋谷さん式アンコール)
24.ふたりでひとつ(作詞:日暮真三)

■③ 2008年に、通して聴いた音盤のリスト 2008年12月31日18:42
1 渋谷毅 ソロ フェイマス・コンポーザーズ
2 渋谷毅 ソロ フェイマス・メロディーズ
3 渋谷毅 アフタヌーン
4 渋谷毅 渋やん
5 渋谷毅 ドリーム
6 渋谷毅 クック・ノート
7 渋谷毅 クック・ノート (1985年CD:波ジャケット)
8 渋谷毅 (LP)クック・ノート
9 渋谷毅 エッセンシャル・エリントン
10 エッセンシャル・エリントン アイランド・ヴァージン
11 エッセンシャル・エリントン+清水秀子 SONGS ラフミックス(渋谷毅さんから頂いたMP3→CD-R)
12 渋谷毅オーケストラ LIVE 1989
13 渋谷毅オーケストラ ライブ'91
14 渋谷毅オーケストラ 酔った猫が低い塀を高い塀と間違えて歩いているの図
15 渋谷毅オーケストラ TAMASA
16 渋谷毅オーケストラ ホームグランド・アケタ・ライブ
17 渋谷毅オーケストラ ずっと西荻
18 渋谷毅&森山威男 しーそー
19 菊地雅章&渋谷毅 タンデム
20 さがゆき・渋谷毅・潮先郁男 We'll meet again
21 大友良英producesさがゆきsings (2枚組)see you in a dream
22 さがゆき Day Dream sings Duke Ellington
23 華乃家ケイ&渋谷毅 たそがれの夢
24 華乃家ケイ 花の素顔
25 金子マリ+渋谷毅 MARI sings along with SHIBUYA-SAN
26 金子マリ 金子な理由
27 渋谷毅・武田和命カルテット OLD FOLKS
28 武田和命カルテット (DVD)1988 Live at 柳川「ファンクール」
29 渋谷毅・松本治 帰る方法3
30 渋谷毅・石渡明廣 月の鳥
31 石渡明廣 MULL HOUSE
32 渋谷・沖クインテット ゲスト 白石かずこ ライブ・アット・アケタ
33 沖至6重奏団 沖至6重奏団コンサート・ウィズ・ストリングス
34 廣木光一・渋谷毅 ソー・クワイエット
35 峰厚介ミーツ渋谷毅&林栄一 ランデヴー
36 林栄一トリオ ゲスト 渋谷毅 モンクス・ムード
37 坂田明・エンド・ヒズ・DA-DA-DAオーケストラ(編曲:渋谷毅) DA-DA-DA
38 坂田明 20人格
39 AKIRA(EMOTO+SAKATA)  D.D.T.
40 今村祐司グループ マリオ
41 宮澤昭 野百合 (足立かおりさんから頂いたCD-R)
42 植松孝夫 COME FROM WITH
43 トリスタン・ホンシンガー From the Broken World
44 川下直広・不破大輔・渋谷毅・芳垣安洋 RAdIO
45 渋さ知らズ SOMETHING DIFFERENCE
46 渋さ知らズ 渋祭
47 渋さ知らズ BE COOL
48 渋さ知らズ 渋龍
49 渋さ知らズ 渋旗
50 渋さ知らズ Lost Direction
51 古澤良治郎 良治郎さんの不思議な散歩。
52 秋山一将 ドクター・レイン
53 高柳昌行 A JAZZY PROFILE OF JOJO
54 デ・ガ・ショー 「続」デ・ガ・ショー
55 立花泰彦 立花氏の立ち話セッション LIVE AT AIREGIN & PIT INN 神無月
56 梅林茂+7 鉄拳 ORIGINAL INSTRUMENTAL ALBUM
57 原信夫とシャープス&フラッツ 栄光のビッグ・バンド
58 原信夫とシャープス・アンド・フラッツ 栄光のシャープス・アンド・フラッツ
59 吉増剛造&マリリア (2枚組) ポエトリー・リーディング しばたやま
60 白石かずこ (2枚組) ポエトリー・リーディング 今日のユリシーズ
61 沖山秀子 サマータイム
62 酒井俊 Shun
63 酒井俊 香港ブルース
64 酒井俊 Beyond Time
65 前田祐希 JAZZ AGE GERSHWIN SONG BOOK I
66 前田祐希 JAZZ AGE GERSHWIN SONG BOOK II
67 浅川マキ (LP)ちょっと長い関係のブルース
68 浅川マキ マイ・マン(+1)
69 浅川マキ 浅川マキ ライヴ 夜
70 浅川マキ こぼれる黄金の砂 - What it be like -
71 浅川マキ 闇のなかに置き去りにして - BLACKに GOOD LUCK -
72 浅川マキ 浅川マキLIVE 夜のカーニバル
73 浅川マキ (LP)ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏家たちのOKをもらった
74 浅川マキ (DVD)幻の男たち LIVE 1984
75 浅川マキ (2枚組)DARKNESS I
76 浅川マキ (2枚組)DARKNESS III
77 浅川マキ (2枚組)DARKNESS IV
78 小川美潮 小川美潮(+2)
79 二階堂和美 二階堂和美のアルバム
80 二階堂和美 ハミング・スイッチ
81 小沢健二 球体の奏でる音楽
82 小沢健二 (シングル)大人になれば
83 小沢健二 (シングル)夢が夢なら
84 小沢健二 (シングル)Buddy/恋しくて
85 小沢健二 (シングル)指さえも/ダイスを転がせ
86 小沢健二 (シングル)ある光
87 小沢健二 (シングル)春にして君を想う
88 (Various Artists) (5枚組) はっぴいえんどかばあぼっくす
89 いずみたく このままでいいのだろうか
90 (Various Artists) いずみたく作品集 「希望」よ永遠に
91 平田王子 マイ・ジョアン ~デュオ集~
92 佐々木彩子 あおいとこ
93 原みどりとワンダー5 恋☆さざなみ慕情
94 石黒ケイ アドリブ
95 稲葉喜美子 ノーコメント
96 上野茂都 上野茂都唄草子 其の弐 緑の人よ
97 高田渡 渡
98 (監修)高田渡 貘 詩人・山之口貘をうたう
99 三上寛 負ける時もあるだろう
100 オクノ修 唄う人
101 ひがしのひとし 水の記憶 この世の涯の泉のほとりで
102 西岡たかし 哀しい歌 (編曲渋谷毅)
103 金森幸介 箱舟は去って
104 吉田拓郎/小坂忠 (EP)テクニクスステレオ 試聴盤 僕の旅は小さな叫び/ひとの中に (山川啓介/渋谷毅)
105 小坂忠/コロムビア・オーケストラ (EP)裸の大将放浪記 山下清物語 主題歌 水たまりの詩(山田典吾/渋谷毅)/主題曲 旅立ち(渋谷毅)
106 本田路津子  ゴールデン・Jポップ/ザ・ベスト
107 アリス アリスIII
108 森山良子  やすらぎ
109 ステージ101 (2枚組)ステージ101ベスト
110 ステージ101 (2枚組)ゴールデン☆ベスト ヤング青春の日々
111 坂本九 メモリアル・ベスト
112 浅丘ルリ子 (EP)別離の詩 (B面「夜明けの子守唄」作詞作曲佐々木勉・編曲渋谷毅)
113 尾崎紀世彦 ファースト・アルバム
114 弘田三枝子 (LP)Love Songs 愛の歌/弘田三枝子オリジナル・アルバム
115 パープル・シャドウズ コンプリート・シングルズ&モア (『まごころ/ロマンティック・ギター・サウンド』全曲追加収録)
116 佐良直美 (2枚組LP)佐良直美リサイタル 厚生年金会館ホール 昭和44年10月31日 (編曲:渋谷毅)
117 佐良直美 ゴールデン☆ベスト ~忘れ得ぬ名唱・佐良直美~
118 ピンキーとキラーズ (2枚組LP)ピンキラ ダブルデラックス
119 ピンキーとキラーズ 昭和フォーティーズ 恋の季節
120 青い三角定規 エッセンシャル・ベスト
121 (Various Artists) ソフトロック・ドライヴィン (ソニー篇) *美しい誤解 (伊東きよ子「青いシャツ」「小犬と結婚なさい」、松木さより「月が出る」、天地真理「白いバラの道」他収録)
122 (Various Artists) ソフトロック・ドライヴィン(ポリドール/マーキュリーME篇)~スノー・ドルフィン・サンバ (「ピディーの唄~ピディーのマーチ」「風の子ジョニー」収録)
123 (Various Artists) ソフトロック・ヒッピーズ (THE PHOENIX「孤独の疾走」「逝者への祈り」、ピオニーズ「ラヴ・チャンス」収録)
124 (Various Artists) 東京ボサノヴァ・ラウンジ (川原正美「マシュ・ケ・ナダ」収録)
125 (ナレーター)日下武 (音楽)渋谷毅 (LP)レーサー 風戸裕
126 (編曲)渋谷毅、瀬尾一三、飯吉馨 (LP)THE GINZA
127 由紀さおり・安田祥子 あの時、この歌-オリジナル・ソング・ブック-
128 由紀さおり・安田祥子 クリスマス・アルバム
129 由紀さおり 全曲集~35周年記念~コレクション 1
130 由紀さおり 夜明けのスキャット (全編曲:渋谷毅)
131 由紀さおり 35周年記念 スペシャル プレミアム コレクション (「ヴァリーエ」「陶酔のワルツ」「枯葉の街」収録)
132 由紀さおり (EP)生きがい(作詞山上路夫・作編曲渋谷毅)
133 由紀さおり (EP)手紙 (B面「女に生れて悲しくて」作詞山上路夫・作曲鈴木邦彦・編曲渋谷毅)
134 由紀さおり (EP)枯葉の街(B面「心に虹をもって」:AB面共作詞山上路夫・作曲いずみたく・編曲渋谷毅)
135 モダンチョキチョキズ ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説
136 原由子 (CD+シングル) 東京タムレ
137 中森明菜 歌姫 (但し、1994年に表彰済)
138 (Various Artists) ビューティ・スタイル (渋谷毅「ストラグル・フォー・マイ・プライド」を含む)
139 のこいのこ のこいのこ大全
140 木村カエラ マスタッシュ/memories(original version)
141 (Various Artists) パコと魔法の絵本 オリジナルサウンドトラック
142 (Various Artists) 嫌われ松子の歌たち
143 (Various Artists) 嫌われ松子の曲たち
144 しぶやさんといっしょ (2枚組)2008年9月6日 なってるハウス (足立かおりさんから頂いたCD-R)
145 (Various Artists) (4枚組)NHKおかあさんといっしょ40年うたのBEST100
146 神崎ゆう子、坂田おさむ他 (2枚組)NHKにこにこぷん「おかあさんといっしょ」ヒット60
147 神崎ゆう子、坂田おさむ他 NHKおかあさんといっしょ
148 坂田おさむ・神崎ゆう子 NHKおかあさんといっしょ 最新ベストヒット30
149 神崎ゆう子  Cresc. ~クレッシェンド~
150 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう16
151 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ ベストセレクション4
152 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ ベストセレクション5
153 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ ベストセレクション6
154 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト 公園にいきましょう
155 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト イカイカ イルカ
156 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ みんなでクリスマス
157 速水けんたろう・茂森あゆみ NHKおかあさんといっしょ スーパーベスト16
158 速水けんたろう・茂森あゆみ (2枚組)NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう 大全集40+カラオケ10
159 速水けんたろう・茂森あゆみ他 NHKおかあさんといっしょ ファミリーコンサート 音楽博士の楽しいコンサート
160 速水けんたろう・茂森あゆみ他 NHKおかあさんといっしょ ファミリーコンサート 夢のなか
161 杉田あきひろ・つのだりょうこ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト ハオハオ
162 杉田あきひろ・つのだりょうこ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト クレヨンロケット
163 杉田あきひろ・つのだりょうこ NHKおかあさんといっしょ コレクションBOX
164 今井ゆうぞう・はいだしょうこ NHKおかあさんといっしょ ソングコレクション ゆめのかけら
165 今井ゆうぞう・はいだしょうこ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト きみのこえ
166 今井ゆうぞう・はいだしょうこ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト ぼよよん行進曲 (但し、2007年に表彰済)
167 今井ゆうぞう・はいだしょうこ他 NHKおかあさんといっしょ ファミリーコンサート おいでよ!びっくりパーティーへ
168 横山だいすけ・三谷たくみ NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト まんまるスマイル
169 ね. 古澤良治郎・藤ノ木みか・津上研太 ね.
170 ね.  ライヴ・アット・アケタ
171 古澤良治郎+外山明 DUO Live at SHIBUYA LUSH
172 古澤良治郎とリー・オスカー あのころ
173 古澤良治郎 (LP)キジムナ
174 古澤良治郎 エミ(藤ノ木みかさんからの頂き物CD-R)
175 古澤良治郎と大往生 もうすぐ死にまっせ
176 Ash featuring 松川純一郎 Ash featuring 松川純一郎
177 武田和命・ミーツ・古澤良治郎 インフィニティ
178 AKETA~西川沖縄ユニット さよなら室蘭長瀬氏~そしてエミ
179 明田川荘之トリオ 室蘭・アサイ・センチメンタル
180 明田川荘之ソロ ニアネス・オブ・ユー
181 明田川荘之 ピアノ・ソロ 黒いオルフェ
182 ソルト 844
183 片山広明・林栄一 デ・ガ・ショー
184 Kiyoshiro meets de-ga-show Hospital
185 生活向上委員会大管弦楽団 This is Music is This!?
186 秋山一将 QuietStoRm
187 高橋知己・清水くるみデュオ リコンファメイション
188 小川美潮 4to3
189 小川美潮 檸檬の月
190 小川美潮 ウレシイノモト
191 小川美潮ウズマキマズウ 宇宙人
192 Wha-ha-ha 死ぬ時は別
193 Wha-ha-ha  下駄はいてこなくちゃ(+1)
194 Wha-ha-ha  Live DUB(+1)
195 チャクラ 南洋でヨイショ(+2)
196 チャクラ さてこそ(+1)
197 チャクラ CHAKRA(+1)
198 (Various Artists) ママとうたおう ディズニー よいこのどうよう
199 (Various Artists) みんなでうたおう ディズニー たのしいどうよう
200 (Various Artists) ディズニーキッズクラブ3 ディズニー みんなでどうよう
201 (Various Artists) NHK天才てれびくんワイド 天てれ宝船 MTK The Third (「おかしな午後」収録)
202 さがゆき フェアリーズ・フェーブル
203 KOKOPELLI-さがゆき・林正樹- Spirit of the Forest
204 さがゆき・金子亜里紗with小川高生 It's So Peaceful
205 さがゆき スアラ オンバック ルキサン スアラ ~音の絵~
206 シナプス《加藤崇之+さがゆき》 シナプス
207 中村八大 中村八大
208 (Various Artists) 中村八大 ヒットパレード ~夢で逢いましょう~
209 ステージ101 ステージ101
210 ステージ101 赤い屋根の家
211 ステージ101 (LP)愛の限界
212 ステージ101 ワカが選ぶ みんなのステージ101
213 華乃家ケイ&フラワー楽団 東京の花売娘/道頓堀の花売娘
214 西尾賢ソボブキ 素朴でブキッチョな東京人の音楽
215 西尾賢ソボブキ live2003
216 ソボブキ~素朴でブキッチョな東京人の音楽~ ソボミカ
217 ラヴスター・ゴーゴー つらつら
218 クミ ハナピラ・ヴ
219 ヘキサグラズマ ゆうやけずまき
220 ヘキサグラズマ みちくさ
221 小泉今日子 KYO→
222 小泉今日子 Nobody can,but you
223 パワートリオ ボーダーズ
224 スーパー ジャンキー モンキー スクリュー・アップ
225 スーパー ジャンキー モンキー スーパー ジャンキー エイリアン
226 スーパー ジャンキー モンキー 地球寄生人
227 トリコミ feat.戸川純 Good girls get fed,Bad girls get eaten.
228 トリコミ feat.戸川純 彼が殴るの
229 マダムギター長見順 ギターマダム
230 マダムギター長見順  クーチークー
231 マダム・ギター 長見順 超スローブルース
232 鈴木祥子 Sweet Serenity
233 二階堂和美 ニカセトラ
234 二階堂和美 (DVD)ニカセトラ SPECIAL EDITION DVD
235 二階堂和美 たね I
236 南野陽子 (EP)話しかけたかった
237 平田王子 オルフェのサンバ
238 平田王子 Maracuja[パッションフルーツ]
239 北浪良佳 リトル・ガール・ブルー
240 こなかりゆ HICCUPS
241 こなかりゆ HOKEY-DOKEY
242 こなかりゆ Riyu's Album
243 こなかりゆ BULLSHIT
244 こなかりゆ OOPS!
245 こなかりゆ A FUNNY EGG
246 深田恭子 Universe
247 深田恭子 スイミング
248 深田恭子 キミノヒトミニコイシテル
249 上原さくら チェリッシュ
250 蜂谷真紀+加藤崇之 ミクロマクロ Dream Vision
251 蜂谷真紀+是安則克 木の声
252 菊地雅章 ススト
253 本田竹広 (2枚組)ふるさと -On My Mind-
254 Rika Flava∞ Cafe
255 ハッピー★ホッピー ナミダノワケヲ
256 AKEMI 11人の女の物語
257 清水秀子 My Treat
258 宮田あやこ ロッカバイ(2008)
259 鈴木道子 スイート・アンド・ビター
260 伊藤君子/リレット/鈴木道子/チャリート/Woong San 五人の女
261 美空ひばり (2枚組)カバーソング コレクション
262 神崎ゆう子 童謡 ふわり
263 神崎ゆう子 童謡 きゅん
264 神崎ゆう子with坂田おさむ (シングル)ふりむけばカエル
265 はいだしょうこ しょうこのMy Favorite Songs
266 坂上弘 交通地獄 そして卒業
267 遠藤賢司バンド (DVD)純音楽
268 遠藤賢司 ボイジャーくん(同名絵本付録)
269 ハリー細野&ザ・ワールド・シャイネス フライング・ソーサー1947
270 サニーデイ・サービス 東京
271 曽我部恵一 東京コンサート
272 曽我部恵一BAND  LIVE
273 皆川おさむ/置鮎礼子  (EP)黒ネコのタンゴ/ニッキ・ニャッキ
274 クラムボン (2枚組)3peace~live at 百年蔵~
275 おおはた雄一 ラグタイム
276 PANTA クリスタルナハト
277 キリンジ Archives SINGLES BEST
278 パフューム (CD+DVD)ポリリズム
279 奥田民生 Fantastic OT9
280 伊東加代子/大杉久美子 アルプスの少女ハイジ(別冊宝島736号特別付録)
281 藤岡藤巻と大橋のぞみ 崖の上のポニョ
282 大橋のぞみ (CD+DVD) ノンちゃん雲に乗る
283 (Words and Music by Richard M.Sherman and Robert B.Sherman) 東京ディズニーランド イッツ・ア・スモール・ワールド
284 (Various Artists) ジンギスカンだらけ
285 Duke Ellington (3枚組)Never No Lament…The Blanton-Webster Band,1940-1942
286 Duke Ellington (2枚組)The Essential Duke Ellington
287 Duke Ellington Take The "A" Train
288 Duke Ellington The Popular Duke Ellington
289 Duke Ellington Money Jungle
290 Duke Ellington Piano In The Foreground
291 Duke Ellington (2枚組)Ellington At Newport 1956(Complete)
292 Duke Ellington Meets Coleman Hawkins
293 Duke Ellington Live At The Whitney
294 Duke Ellington Orchestra Historically Speaking - The Duke
295 Duke Ellington Orchestra Duke Ellington Presents…
296 Duke Ellington And His Orchestra ...And His Mother Called Him Bill(+7 Bonus Tracks)
297 Duke Ellington And His Orchestra ...And His Mother Called Him Bill
298 Duke Ellington And His Orchestra Masterpieces By Ellington
299 Duke Ellington And His Orchestra Hi-Fi Ellington Uptown
300 Duke Ellington And His Orchestra Piano In The Background
301 Duke Ellington And His Orchestra The Ellington Suites(The Queen's,The Goutelas & The Uwis)
302 Duke Ellington And His Orchestra Such Sweet Thunder
303 Duke Ellington And His Orchestra Concert In The Virgin Islands
304 Duke Ellington And His Orchestra Featuring Mahalia Jackson Black,Brown And Beige
305 Duke Ellington And Billy Strayhorn Piano Duets - Great Times!
306 Duke Ellington And Johnny Hodges Side By Side
307 Duke Ellington And Ray Brown This One's For Blanton!
308 Duke Ellington & John Coltrane Duke Ellington & John Coltrane
309 Ella Fitzgerald With Duke Ellington And His Orchestra (3枚組)Ella Fitzgerald Sings The Duke Ellington Song Book
310 Frank Sinatra & Duke Ellington Francis A.Sinatra & Edward K.Ellington
311 The Johnny Hodges All-Stars With The Duke Ellington All-Stars And The Billy Strayhorn All-Stars Caravan
312 Billy Strayhorn The Peaceful Side Of Billy Strayhorn (アケタの店島田正明さんから頂いたCD-R)
313 Billy Strayhorn Lush Life
314 Billy Strayhorn Passion Flower : A Proper Records Introduction To Billy Strayhorn
315 Thelonious Monk Play The Music Of Duke Ellington
316 Thelonious Monk Solo Monk
317 Thelonious Monk Brilliant Corners
318 Thelonious Monk Thelonious Himself
319 Thelonious Monk Criss-Cross
320 Thelonious Monk Solo On Vogue
321 Thelonious Monk  Piano Solos
322 Thelonious Monk Underground
323 Thelonious Monk The Unique (足立かおりさんから頂いたCD-R)
324 Thelonious Monk Quartet Misterioso (+2)
325 Thelonious Monk Septet Monk's Music
326 The Thelonious Monk Quartet Monk's Dream
327 Thelonious Monk With John Coltrane Thelonious Monk With John Coltrane
328 Miles Davis And The Modern Jazz Giants Bags' Groove
329 Miles Davis 1958 Miles
330 Miles Davis All Stars Walkin'
331 John Lewis Grand Encounter:2 Degrees East-3 Degrees West
332 John Lewis  The John Lewis Piano
333 Helen Merrill & John Lewis Django
334 The Horace Silver Quintet & Trio Blowin' The Blues Away
335 Carla Bley/Steve Swallow Duets
336 Carla Bley Live!
337 Jaco Pastorius Word Of Mouth
338 Count Basie And His Orchestra Basie One More Time - Music From The Pen Of Quincy Jones (足立かおりさんから頂いたCD-R)
339 Dinah Washington With Quincy Jones And His Orchestra The Swingin' Miss"D"
340 Johnny Mandel The Sandpiper
341 Jo Stafford (arr:Johnny Mandel) Jo+Jazz
342 David Sanborn (arr:Johnny Mandel) Pearls
343 Erroll Garner Concert By The Sea
344 Jimmy Jones Trio  Jimmy Jones Trio
345 Helen Merrill Helen Merrill
346 Beverly Kenney Beverly Kenney With Jimmy Jones And "The Basie-Ites"
347 Sarah Vaughan And Her Trio Sarah Vaughan At Mister Kelly's - Complete Sessions
348 The Sonny Stitt Quartet New York Jazz
349 Mahalia Jackson Newport 1958 - Recorded At The Newport Jazz Festival
350 Astrud Gilberto (Arranged And Conducted By Gil Evans) Look To The Rainbow (足立かおりさんから頂いたCD-R)
351 Stan Getz/Joao Gilberto Featuring Antonio Carlos Jobim Getz/Gilberto
352 Stan Getz Stan Getz Plays
353 Louis Prima Just A Gigolo Anthologie - 1935/1956
354 David Lee Roth Crazy From The Heat
355 Led Zeppelin (2枚組)Mothership
356 Led Zeppelin (2枚組)The Soundtrack From The Film:The Song Remains The Same(最強盤)
357 Led Zeppelin (3枚組)How The West Was Won
358 Inara George With Van Dyke Parks An Invitation
359 Frank Zappa The Dub Room Special!
360 Robbie Dupree Robbie Dupree
361 フルトヴェングラー/北ドイツ放送交響楽団他  ブラームス交響曲第1番(1951.10.27)/ハンガリー舞曲第1番・第3番・第10番
362 フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団  ベートーヴェン交響曲第9番「合唱つき」

以上、362セット(398枚)でした。

■④ 2008年に聴いた音盤についての感想(総括) 2008年12月31日18:44

2008年に、通して聴いた音盤(全曲を聴いてない作品は、除く)は、別記の通り、362セット(398枚)でした。約400枚。枚数でも、これだけ聴いたのは、独身時代以来。2000年以来です。(2000年は、349セット(411枚)と記録あり。)ここ数年は、ほんとに音楽から離れていたから、音楽は過去の趣味になるのかな、なんて思っていたんだけど。戻ってくるもんなんだなあ。・・・学生時代はね、そりゃあ、ものすごい時間、自分でもあきれるほど聴いていたから、職業人になってからの比じゃないけど。

でも、別にCDを枚数聴いたから、なにひとつエライってわけでなし。そんな奴もいるのねってくらいのもんでしかないんだけど。

それに、当然、一枚一枚聴く密度は、小さくなっちゃうのは否めない。だから、真剣に想いを込めて制作された作品を、こういう聴き方してるっていうのは、制作者の方には、かえって申し訳ないの。でも、それぞれ真剣に聴いているつもりではあるので、どうか許して下さいね。

大事なのは、2008年は、本当に新しい経験をさせて頂いたということ。上記リストの恐らく95%以上が、08年にはじめて聴いた作品だった。

このうちの168作品(189枚)が、渋谷毅さんが、作曲・編曲・演奏・プロデュースのどれかを担当された作品を含むもの。更に、渋谷さんが共演されている方の作品や参加作品、渋谷さんが好んで演奏されたりする作品などで、やっぱり全体の95%は占めていると思うので、もう本当に2008年は、僕にとって「渋谷毅イヤー」だったというしかありません。

でも、たぶん、それは、渋谷さんとその周りの音楽との「出会いの年」であったということだと思っている。渋谷さんの音楽は、「消費」されるような類のものではなくて、たぶん、これからの一生分の宝を頂いたのだと思っている。だから、2008年は、正確には「渋谷毅イヤーズのはじまり」だったってことになるのだろうなあ。09年は、08年に初めて聴かせて頂いた作品を、繰り返し聴かせて頂く一年になるでしょう。

ちなみに、渋谷さんの過去の仕事を追ってみれば、それは、いわゆる、今で言うソフトロック的な歌謡曲や、映画音楽、フォーク、童謡、ジャズも諸々な種類で、ビッグバンド、小編成、歌伴、フリージャズ、ボサノバ、ピアノソロ、今年の木村カエラに至るまで、端から見れば「渋谷毅の宇宙」「渋谷毅大陸」みたいに見えてしまう、確かに膨大なものなんだけど、しっかり一本の筋が通っているので、どの作品を聴いても全然違和感がない。そして、美しい。例えば、おかあさんといっしょの体操「あ・い・うー」とビリー・ストレイホーンのこの上ない響き「ロータス・ブロッサム」と由紀さおりの「生きがい」は、実は、同じ人が作り出した音楽だって、すごく伝わる。「太い線でつながっている」って言いたいけど、それは実は適切な表現ではなくて、僕には、「細いしなやかな線」でつながっているような気がしてならない。うつくしく、きびしく、あまくなく、やさしく、さびしく、つつみこむような、つきはなすような、めんどくさくて、かんたんで。どの作品を聴いても、誰に客演しても、そういう渋谷毅という「人間」が語ってる。だから、彼のピアノを聴かせて頂く度、やっぱり思う。こんなピアノを弾く人は、世界に一人しかいない、って。・・・余談です。恋に落ちてるからね。しょうがないの(笑)。

そこまで夢中になってしまった私だけれど、渋谷さんの音楽のこと、実はまるで理解しておらず、全く勘違いしているような気もする。大いにする。ライブの合間とかに、運よく渋谷さんとお話させて頂くことなんかもあるのだけど、言いたいことの1割も言えない。話しかけて頂いて、感激する一方で、緊張してしまうのもあるけれど。

俺は一体、何に夢中になっているんだろう?・・・ひとつ確かなのは、あらゆる好きになるということに共通していること、渋谷さんの音楽という対象に、自分を見つけてしまっているということだ。・・・俺の、自己愛の果てか?それだけのことか?ならば、やはり渋谷さんに申し訳ないなあ。・・・いや!誓って言うけど、俺がどう思ってるかなんて、小さいことでしかない。

渋谷さんの音楽は、掛け値なしに素晴らしい。美しい。それだけです。大事なことは、存外かんたんなのだ。・・・だと思います。「何を今更」ですよね。俺は遠いところにいたから、気づかなかったの。それだけなのだ。

以上、音盤の話。

ライブが、やはり、たのしかったなあ。よかったなあ。08年のライブは、別項で。

■⑤ 2008年に出かけたライブ(とその周辺)のリスト 2008年12月31日18:46

◎2008年 ライブとその周辺

01 08/01/22 Zappa Plays Zappa(Zepp Tokyo)
02 08/01/26 NHKおかあさんといっしょファミリーコンサート(大宮)
03 08/02/17 Robbie Dupree(Cotton Club)
04 08/03/02 NHKおかあさんといっしょスペシャルステージ(さいたまスーパーアリーナ)
05(1) 08/04/05 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
06 08/04/08 浜崎あゆみ(国立代々木競技場)
07(2) 08/04/12 しぶやさんといっしょ どんぐりコロコロ編:渋谷毅・かわいしのぶ・藤ノ木みか・外山明(guest:上村勝正・小川美潮・平田王子・古澤良治郎)(西荻アケタの店)
08 08/04/15 うずらぎぬ:さがゆき・水谷浩章 (高円寺サブリエルカフェ)
09(3) 08/05/10 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
10(4) 08/05/12 We'll Meet Again完成記念:さがゆき・渋谷毅・潮先郁男(guest:松本治)(西荻アケタの店)
11(5) 08/05/17 渋谷毅+華乃家ケイ(guest:田ノ岡三郎)(横浜ダウンビート)
12 08/05/25 ね.:古澤良治郎・藤ノ木みか・福島紀明・早川徹・佐藤帆・石崎忍(guest:外山明・津上研太・ )(西荻アケタの店)
13(6) 08/06/07 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
14(7) 08/06/27 渋谷毅・小川美潮・金子マリ・北京一 ヨコハマフィジカルシアター・ミーツ・両手に花(横浜市開港記念会館講堂)
15 08/07/10 ね.:古澤良治郎・藤ノ木みか・福島紀明・早川徹・石崎忍(guest:外山明・津上研太)(西荻アケタの店)
16 08/07/11 サンハロン企画「上海、そして東京の屋根の下で」(高木里香出演)(東京芸術劇場小ホール2)
17(8) 08/07/26 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
18 08/07/31 清水くるみ(P)米木康志(B)原大力(Dr)(古河アップス)
19 08/08/01 ZEK3 清水くるみ(p)米木康志(b)本田珠也(ds)(西荻アケタの店)
20(9) 08/08/11 渋谷毅オーケストラ 渋谷毅(p)松本治(tb)松風鑛一(as)津上研太(as)林栄一(as)峰厚介(ts)石渡明広(g)上村勝正(b)古澤良治郎(ds)(guest:外山明)(西荻アケタの店)
21 08/08/21 ね.:古澤良治郎・藤ノ木みか・福島紀明・早川徹・佐藤帆・石崎忍(guest:外山明・津上研太・かわいしのぶ)(西荻アケタの店)
22(10) 08/08/23 渋谷毅 Solo(飛び入りゲスト:二階堂和美)(西荻アケタの店・深夜)
23(11) 08/09/06 しぶやさんといっしょ:渋谷毅・かわいしのぶ・藤ノ木みか・外山明(guest:さがゆき)第1部のみ(合羽橋なってるハウス)(参考:第2部guest:上村勝正・小川美潮・北浪良佳)
24(12) 08/09/20 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
25(13) 08/10/03 秋山一将(g)渋谷毅(p)(浅草Soultrane)
26 08/10/16 はなのや(ママ:華乃家ケイ)
27 08/10/17 はなのや(ママ:華乃家ケイ、マスター:福人)
28(14) 08/10/18 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
29 08/10/28 ね.:古澤良治郎(ds)藤ノ木みか(per,vo)石崎忍(as)佐藤帆(ts)早川徹(b)福島紀明(ds)小野アイカ(g)(西荻アケタの店)
30 08/11/05 ウズマキマズウ:小川美潮(vo)板倉文(g)大川俊司(b)BaNaNa-UG(key)Ma*To(synth) Mac清水(per)whacho(per)青山純(ds)(横浜Thumbs Up)
31 08/11/16 ブロードウェイ・ミュージカル「シカゴ」(米倉涼子・和央ようか・河村隆一他)
32(15) 08/11/22 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
33(16) 08/12/03 渋谷毅2DAYS 第1日 「両手に花」 with 小川美潮(vo)、金子マリ(vo)、(guest:大川俊司(b))(合羽橋なってるハウス)
34(17) 08/12/04 渋谷毅2DAYS 第2日「We'll Meet Again」アルバム完成記念 with さがゆき(vo)、潮先郁男(g)(合羽橋なってるハウス)
35(18) 08/12/06 渋谷毅 Solo(西荻アケタの店・深夜)
36 08/12/12 萩原祐子・ダンス★マン・橋本慎・DJ ARAKI<年忘れ!ジンギスカンだらけのB級ディスコ大会。(ヒツジもあるよ!)>(新宿ロフトプラスワン)
37 08/12/14 栃木市民吹奏楽団第59回定期演奏会 親子ファミリーコンサート(栃木市文化会館大ホール)
38(19) 08/12/19 しぶやさんといっしょのクリスマス アケタ篇:渋谷毅・かわいしのぶ・藤ノ木みか・外山明(guest:上村勝正・小川美潮・平田王子・ナガオクミ)(西荻アケタの店)
39(20) 08/12/20 さがゆき(Vo)・渋谷毅(P)・小畑和彦(G)・マツモニカ(harm)【Xmasスペシャルライブ!】(吉祥寺STRINGS)
40 08/12/30 親子で楽しむファミリーコンサート フォーシーズンズホテル アニバーサリークラブ(フォーシーズンズホテル)
41(21) 08/12/30 浅川マキ・大晦日公演-五日間連続-最終日 渋谷毅(P,Or)向井滋春(Tb,Cello)植松孝夫(Ts)セシル・モンロー(Ds)(新宿ピットイン)

ライブ。みんな素晴らしかったです。これが、いろんなやりくりつけなければ行けなくて、聴きにいくのは、音盤とは比較にならない難しさなんだけど、でも、また聴かせてほしいから、出かけるぞ。09年も、いいライブに、たくさん行けるとよいなあ。

家庭サービスに関連づけたり、仕事のスケジュールを組み合わせたり、無理に無茶を重ねて、栃木と東京を往復しました。でも、たのしかった。シアワセなんだ。ほんとうに。

マイミクさんをはじめ、演奏してくださったみなさん、ほんとうにありがとう。あたたかかったです。ありがとう。

尚、通し番号の次に()でつけてある番号は、渋谷毅さん出演のライブの通し番号です。4月5日から9ヶ月で、21回か・・・ぜーんぶ、ものすごく、ものすごく、よかった。

私のようにケーハクな男が、大ファンだと言っても、申し訳ないんだけど、イイモノハイイ!ウツクシイモノハウツクシイ!のだから、仕方ないんです。(ちゃんと気づくのがすごく遅かったと思って、帳尻合わせしようとしてる面も、僕には確かにあるんだけど。でも、古い録音たくさん聴かせて頂いて思うこと、こっそり、独り言してしまうと・・・実は、「今」の渋谷さんが、最高じゃないかしら)

そんなわけで、渋谷さんの(音楽の)前では、私はモジモジした少年でしかないのです。

今年の最後のライブ、締めくくりも渋谷さん。12月30日。浅川マキさんのピットインの最終日。すごい人の数。私は整理番号92番で入場、もう席は埋まっていて、立ち見は覚悟していたんだけど、人の流れのままに、前の方へ。そしたら、ステージ脇、ピアノの後ろの椅子も座っていいですよとのことで、マジ?!わぁ!なんと演奏する渋谷さんの背中から50センチくらいのところに座ることに!あわあわあわ。・・・至近距離での渋谷さんの演奏はやっぱり素晴らしくて、言葉ない。最後アンコールで、マキさんは自分が先にステージを降りて、最終日ということで、たぶんメンバーのみによるエンドレスのセッションみたいなのを希望してたかに見えたんだけど、渋谷さんは、きれいに演奏を終えてしまう。え?いいの?って感じで演奏を終える他のメンバー。・・・そういうところが、ますます素晴らしい。渋谷さんらしいなあと、感動。渋谷さん、マキさんで5日連続だったせいか、少しお疲れだった印象も。演奏は言うまでもなく、素晴らしかったけれど。確か来年には70歳。身体お大事にして頂きたいと願うばかり。終演後、私から、よいお年を、の挨拶。渋谷さんの笑顔見れて良かった!マネージャーのパクさんは、明日は来ないの?と。年末恒例のピットインとアケタの店のオールナイトセッションのことと、勿論わかっていますが!家族も大事なので、今年はこれが最後です、みたいなことをお話して、握手してお別れ。パクさんも、よいお年を!

ああ。でもね、来年は、仕事、もうちょっとなんとかしたいので、そうなると、ライブは、今年ほどは行けないかなあ。でも、今年ついてしまった火は、まだかなり燃え盛っているから。やりくって、ごまかして、いろんな理由つけたり、こっそり行ったり、とにかく要領よくすれば!来年も!

最後は、あいつはそういう生き方だからしょうがない、みたいに思われれば勝ちだものね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上、5本の投稿をまとめました。(3年間、私は、まるで変わっていないような気にもなります。)

明後日は、渋谷毅オーケストラ。久々の東京。ピットイン。子供のように、わくわくする気持ち、抑えられません。

2011年5月 2日 (月)

【アーカイブ】「everyone says I love you」(1998年8月29日。青木達之との想い出) (mixi 過去ログより)

今日が命日。もう12年か。時が経つのは、あっという間だ。

2年前にmixiで公開した記録。mixiをやめてしまったので、改めて、このブログに投稿することにしました。旧友再会時の、どうってことない会話なんだけど、青木達之と最後に長く会話した夜の記録。彼のファンに、喜んで頂けたら、うれしい。

ここには、mixiのアーカイブとして、掲載当時(2009年5月1日)のコメントもそのまま載せた。
今の気持ちは、そのときよりも、少しだけ新しい。そして、生きていたら、話したい気持ちは、2年前よりずっと強い。個人的な事情で。それはいいとして。こっちは、また2年分、歳を取ったということなんでしょうね。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「everyone says I love you」 (mixi 2009年05月01日20:35投稿より)

明日が命日。10年前のファイルを探してみたら、やっぱり残っていました。

◆1998年8月29日(日)0:00頃から、青木達之と最後に長く話した会話の記録。新宿OTO。青木がDJの晩。

(扉を開ける。青木、俺と目が合う。あれ?こいつは?という感じで、)
青木「おー!!!!!!!!(びっくり!!!)どうしたのー?!」
岩下(覚えてくれてたこと、青木が俺に会えて喜んでることがすごく嬉しくて、万感胸に迫る感じ。もう、照れてしまって、顔が合わせられない。笑顔で顔がくしゃくしゃになって、思わず下を向いてしまう。照れ隠しで名刺を取り出す)「こういうことやってます」
青木「いつもCM見ています(笑)。今どこに住んでるの?」
岩下「栃木。いい音楽を聴かせてもらおうと思って。始発で帰るよ」
青木「わー。わざわざ来てくれたんだ。嬉しいなあ」(と本当に嬉しそうなんで、俺はまたものすごく照れてしまう。ああ来てよかったなあ)
岩下「今日は、仕事場を拝見に来ました」
青木「我々は、肉体労働者ですから」(笑)
岩下(里香ちゃんを紹介)「この子は、大ファン!!」
青木「よろしくお願いします」
岩下(里香ちゃんに)「ほら、渡すものがあるんでしょ」(里香ちゃん、デモテープとファンレターを青木に渡す。)
青木(里香ちゃんに)「どうもありがとう。名前は?」
里香「高木里香です」
青木「高木さんか。よろしく!」
岩下「中野は、チケット取れなかったんだ」
青木「えっ!?本当?!」(えらく申し訳ないって感じで。来てくれたらほんと嬉しいよって感じで、矢継ぎ早に)「もし来てくれるんなら、招待するよ!!」
岩下「わー!ほんと!?」
青木「書くものある?」(店のひとに紙とペンをもらい、電話番号を書く)「連絡してよ。いや、連絡するよ!」
岩下「ありがとう!すまないね!」
青木「これで好きなもの飲んでよ」(と、DJチケットを渡す)
岩下「ありがとう」

岩下「新譜よかったよ!」
青木「わ!聴いてくれたの!!?」(びっくり、うれしそう。)
岩下「うん。まだ3回くらいだけどね。よかった。すごいいいレコードだと思ったよ」

岩下「青木がDJやってるのは、ずっと知ってたんだけど。行きたいなあと思ってて、でも、場所がわからなくてね。今日は、この子(里香ちゃん)に教えてもらったんだ!初めてだよ」
青木「バンドの活動と並行して、やってるからね。もう随分長いよね。10年以上になるかな」
岩下「そうだったねえ!」

岩下「10年ぶりかなあ。いや、8年くらいか」
青木「そうかなあ?そんなになるか?」
岩下「招待してもらった中野サンプラザ以来だからね。ほら、ギムラさんを紹介してもらった日だよ」
青木(そうだったか、という感じ)
岩下「いやあ。お変わりなくて、嬉しいです」
青木「こちらこそ!」(笑)

岩下「でも、ずっと発売と同時に押さえているのよ。コンサートは中野以来行けてないんだけど。CD、ビデオ類は、シングルまで含めて、たぶん、全部買ってるよ」
青木(うれしい)「そうかあ」
岩下「テレビは、時間が合わなくてね、デカメロンとかもなかなか追いかけられなくて残念なんだけど。でも、小沢健二のビデオとか、よく見てる。小沢健二のコンサートは行ってね。コンサートでは、脇の席だったんで、青木は見えなかったけどね」
青木「どこ?」
岩下「武道館」
青木「なるほど」

岩下「小沢健二とはまだ仕事してるの?」
青木「うーん、小沢君自体が今やってないからね」
岩下「そうだね。休み長いね」
青木「最近では、「ある光」ってシングル。あれが最後かな」
岩下「うんうん!よかった!!タイコ良かったよ!」
青木(笑)

岩下「いまだにベストテン続けてるのよ」
青木(笑)「ベストテンねえ」

岩下(里香ちゃんに)「俺たちは、10代の付き合いなんだ」(青木に)「15から20歳くらいまでだものね」
青木(そうか?という表情。もう少しあともよく遊んだ記憶なのかもしれない。多少は一緒に過ごしたけれど)

岩下「今日は、ドラムマガジンの、ほら95年の、高橋さんの表紙の奴、あれを持ってきたんだ。こりゃ、サインしてもらわないかんと思ってね!」
青木(笑。ギャフン、こりゃ参った、という表情。笑)

(青木の誕生日ケーキが到着。ハッピーバースディ)
岩下「今日は「岩下の新生姜」持ってきたんだ。おみやげ!」
青木「おー!」(周囲に、大きな声で)「岩下の新生姜だ!!」

岩下「川上が本当にいい曲書くようになったなあって思って、それがすっごく嬉しくてさ」
青木(うなずく)

青木(里香ちゃんに向かって、唐突に)「岩下の薦めるの聴いておけば、間違いないよ!」(と、俺の目をみる)
岩下(もう、何も言えない。・・・ものすごく嬉しい!!)

岩下「今日も、この子(里香ちゃん)と一緒にレコード屋行ったもんだから、スペシャルズのファースト、買ってあげたんだ」
青木「僕たちは、リアルタイムだからね」(と、里香ちゃんに)

青木「デニス・ボーヴェルは、やっぱりすごいよ。演ってみるとね。ポップ・グループに始まって、スリッツ・・・、我々の世代には、大変な人だよね」
岩下「うんうん。すごいよかったよ。『アーケストラ』聞いてから、ほんと久しぶりにリントン・クウェシ・ジョンソンの『メイキング・ヒストリー』引っ張り出したよ!」
青木「そうそう!」(嬉しそうな顔)
岩下「懐かしいねえ!!!」
青木「うん」(懐かしい!)

岩下「2枚目のシングル好き」(「Dear My Sister」のこと)
青木「おー!あれはね、もともとはだいぶ古い曲なんだ」
岩下「うんうん。この子(里香ちゃん)に聞いたよ。沖のなんだよね」
青木「ラップが入るとは思っていなかったね」
岩下「後半がいいんだよな」
青木(「ガクッ」って感じでずっこける。後半はインスト。笑)

青木「最近、女の子、プロデュースしたいんだよね」
岩下「ファンキー・エイリアンはどう?」
青木(照れたか、無言)
岩下「ちゃんと押さえてんのよ」
青木「いやあ、女の子3人ってのは難しいよ。嫉妬というのかな、メンバーの誰かがひいきされてるみたいに、お互いなっちゃってね」
岩下「なるほどねー」

青木「ほら、今、UAとか、・・・いろいろあるでしょ。ACOって知ってる?」
岩下「うん。『レディソウル』ってアルバムなのかな、レコード屋で見たよ」
青木「そうそう!3枚目のシングルは、ACOがボーカルなんだ。女性ボーカル!」
岩下「へー!(驚)」
青木「同じ事務所なんだよ。「One Night」をボーカル入りで出すの」
岩下「ああ、(『アーケストラ』の)最後の曲だね」
青木「そう」
岩下「いいよね。あの曲」

岩下「『トーキョー・ストラット』は、すごいいいアルバムだと思ったんだ」
青木「YMO色が濃い。どちらかというと、俺や、川上、沖といった、岩下の昔から知っている連中の色が濃いアルバムだね」
岩下「へー、やっぱり、そういうのってあるの?」
青木「あるよ!管の人は、メロディ主体で捉えているから」

岩下「エイベックスどう?」
青木「小室が離れて、一旦傾いたんだけど、ELTで持ち直した」
岩下(笑)
青木「ソニーと比べると、宣伝もよくしてくれるし、理解ある。やりやすいよ」

岩下「新譜、青いよねえ!!(賛)とてもいいよ。ルイ君を入れた意味がすごくよくわかってね。近田春夫言うところのキープ・フレッシュというか、フレッシュであり続けるってことだと思ったんだ」
青木(苦笑い)
岩下「賛否両論となるのも、望むところなんでしょ?」
青木「うん。俺もルイを入れることには、最初反対だったんだ。インストゥルメンタル・バンドとして成熟していく道を選ぶこともできたのだけど、それを拒否したんだ」
岩下「詞も歌もすごく青い。ボーカル曲になった途端に、素人バンドみたいな勢い、というか、青さが出てくるんだよね。そこがいいなと思ったよ。その「青さ」が、望んでいたことなんだなってよっくわかったよ」
青木「うん。青い。その青い感じ。ボーカルも、機械でいくらでも直せるんだけど、そうしなかったんだ」
岩下「『トーキョー・ストラット』がすごいいいアルバムだっただけにね、吹っ切れたというかさ、それだけに、次に来るものとして、新譜がああなったっていうのは、すごくよくわかったよ」
青木「『トーキョー・ストラット』のスタイルなら、もっといいアルバムをあと2・3枚は、楽に作れた!でも、そういう路線を選択せずに、ああいう道を選んだんだ」

岩下「コンサートは、女の子が多いんだってね」
青木「最近、男が増えた。ルイが入って、ヘアーのファンが流れて来た」
岩下「荒っぽくなったでしょ」(笑)

(スペシャルズの「ステューピッド・マリッジ」で青木DJ一回目の幕のあと)
青木「スペシャルズ、って話が出たから、かけてみた」
岩下「おう!気ぃ遣ってくれたのかなあって思ったよ」
青木「いやいや」
岩下「いやあ、お変わりなくて、すごく嬉しいです!」
青木「どうも!」(にっこり)
岩下「(里香さんが、青木のDJは)谷中のときとだいぶ違うって」
青木「(笑)スカが多いね」
岩下「求道的というかね」
青木「いやいや。・・・今日は、ちょっとサービスモードかな」
岩下「そう?なるほど!」
岩下「一曲目、すごい好き!」
青木「ほんと?!(おお!って感じで)ファンボーイスリー」
岩下「まじ?!何枚目?」
青木「ファースト」
岩下「あれー」

岩下「(里香ちゃんを指して)この子さ、笠置シヅ子のファンなんだ」
青木「うん」
岩下「今時、珍しくないのかな?結構いる?」
青木「いや。珍しいでしょう」(笑)「スカパラ、(笠置シヅ子のカバーを)2曲もやっちゃったからね。「ラッパと娘」の方が、レコード会社うるさかったな」
岩下「そういえば、だいぶ大きく「コロムビアレコードのご厚意により」って(『パイオニアーズ』のジャケットに)書いてあったね。どうしてかね?」
青木「さあ。わからない。黒沢(明)だからかな?」
岩下「いや。昔、(大学時代)川上が「ジャングルブギ」演ったんだって言ってさ、「なんで、俺を呼ばんのじゃ」って思ったのよ」
青木(笑)

岩下「最近、お手伝いはしてるの?他のひとの」
青木「あまりないな。・・・ユースケ・サンタマリアのシングルを手伝ったよ。ちょっとだけね」

岩下「みんな言ってるよ」
青木「えっ?」
岩下「(困って)いや(何でもない)・・・、みんな言ってるのかなあと思って」
青木(笑。納得。竹中直人風に、俺の耳元で、ボソリと)「みんな言ってるよ」
岩下(笑)

岩下「何かね、10年前と、その間吹っ飛ばして、つながってる感じ。昨日のことのようだよ」(笑)
青木「そう?そうだねえ」(笑)

岩下「あのドラム・マガジン、本屋でたまたま見かけてね、表紙見て、びっくりしたよ。高橋さんとふたりでにっこりでしょ、なんかすごい嬉しかった。ぐっと来たよ」
青木「その雑誌は、インタビューもいいでしょ」
岩下「うんうん。練習するより恋愛ってね」(笑)
青木「多少、脚色されているな」(笑)
青木「何年前かな、幸宏さんのツアーで、幸宏さんと、俺と、スティーブ・ジャンセンで、トリプル・ドラム(笑)。トリプルだよ、ドラム3台並べて(笑)。あの頃からすると、夢のようだよ」
岩下(うんうん。そうだなあ、青木はスティーブ・ジャンセンのいたジャパンも好きだったものなあ。嬉しい。にっこり)

岩下「一番びっくりしたのは、『グランプリ』(間違い。本当は『トーキョー・ストラット』)の写真。肩車」
青木「あれはね、娘の幼稚園の入園式にね。写真家が来てくれて、・・・、いい写真なものだから。あの写真載せるのは、抵抗したんだけど、押し切られたよ」
岩下「うん。いい写真。いくつになる?」
青木「今年6つか」

青木「川上も、沖も、谷中も、・・・岩下が昔から知ってる人は、みんな結婚してるよ」
岩下「そうらしいね」

岩下「お母さん、元気?」
青木「3年前に亡くなった。事故で。あの家も売っちゃった」
岩下(言葉ない。腕を取る)

青木「(ムーンライダーズの)鈴木慶一もね、ほら、えびす温泉とかあるでしょ。ああいう関係で、何度か一緒に仕事して(知り合いなんだ)」
岩下「おう!」
青木「幸宏さんのツアーで、鈴木慶一が参加してね。前代未聞だってことでさ、岩下の実家に電話したんだ。でも、そのときは、確か、つながらなかったのかな」
岩下「へー、そうだったんだ!(まじ?それは残念!)慶一さんは『薔薇色の明日』(高橋幸宏のアルバム)のツアー以来だね」
青木「そうだね」
岩下「あのときのツアー、メンバーすごかったね!立花ハジメとかさあ!!」
青木「うんうん!」
岩下「懐かしいよう!」(笑)
青木「懐かしいね!」(笑)

(2回目の青木DJの幕のあと)
岩下「お疲れさま!あの、ジャンジャーンジャジャンジャン・・・(青木がギターの音色でキーボードを入れたメロディ)ってのは、ドンキーカルテットのテーマ?」
青木「あの、ジャンジャーンジャジャンジャン・・・っていうのはね、・・・「アパッチ」という曲なんだ。もとは、メキシコ民謡だよ」
岩下「ドンキーカルテットのテーマ、なのかなと思ったよ」
青木「似たようなもんだよ」
岩下「いや。この曲をドンキーカルテットがいつも演奏していたんだ」

岩下「青木の出番はこれでおしまい?」
青木「うん。今日はここまでだね」
岩下「今日は、久々にいい気持ちにさせて頂いた。ありがとう」
青木「いやいや、こちらこそ」
岩下「月一くらいでやっているの?」
青木「うーん」
岩下「不定期か?」
青木「うん。そうだね」
岩下「またうまく時間が合えば、是非来たいよ!」
青木「連絡するよ!」
岩下「うん!」

※ 何故、こんなものが記録されているかというと、この夜、あまりに楽しく幸せに時間が過ぎて、一体、どうして、こんなに幸せな気持ちだったのだろう、一体、どんな話をしたのだったか、と、帰りの始発電車で、記憶をたどって、だだーっとメモしたのでした。私は最後、ものすごく照れてしまい、きちんと別れの挨拶はせずに、ひとり、消えるようにお店をあとにした。その余韻がメモに反映されている。これから滅多に会えないし、残しておきたいような気がしたんでしょう。当時、人生に滅入り切っていた自分としては、久々のしあわせでフクザツな感情がわき起こったようだった。

その頃、テレビや町なかで、スカパラの音を聞かない日はなかった。私は、彼らの成功を心から喜んでいた。売れているかどうかはどうでもよくて、いい仕事をしていることが大切で、それがうれしかった。共演・共作というかたちで、学生の頃の夢がどんどんかなっていく。美しい人生に思えた。プロになる気配など毛頭なかった高校の頃から「ファン」だったことは、へんな「誇り」みたいな気分だった。しかし、離れすぎて、連絡を取る気も起こらないまま、時間が過ぎた。いろんな意味で遠すぎたのだ。

この当時、スカパラは、エイベックスに移籍したばかりで、杉村ルイ(Vo)を入れた『アーケストラ』というアルバムを発売したばかりでした。青木は1966年8月15日生まれと記録があるので、このとき、彼と私は、32歳になったばかりだった。青木は33歳になることはなく、私は今年43歳になる。

歳を取る理由がわかった。生きているからだ。

今、眺めてみると、なんてことない、ひさしぶりに再会した同級生の会話でしかない。学生モードからの延長だから、32歳の会話としては、内容も幼い。・・・でも、なぜだか、幸せだった。不思議だけれど。(学生の頃、毎日のように話していたことは、ほとんど思い出せない。一緒に音楽聴いて、映画見て、たぶん、同じような話をしていたんだろう。もっとギャグが濃かったか。あきれるほどたのしい時間だった。)

当時独身だった私は、結婚の話題は避けたようだ。「Stupid Marriage」なんてかけるから、余計なことを考えさせられる・・・。でも、だからって、今さら、どうということもない。本当に大事なことは、なにも話せないのかもしれない。そんなものなんだろう、旧友なんてものは。

そして、それは俺も同じだった。当時の私も、いっぱいいっぱいだったのだが、そんな部分を、彼に見せようとはしていなかったことだろう。

それでも、会いたいひとには、会っておいた方がいい、と思う。「人間嫌い」の私には、いまだにしんどいことなのだけれど。

なくなった年の暮れ、青木が中学生のときからずっと愛していた高橋幸宏さんは、『ディアレスト・フール』というアルバムを発表された。冒頭の曲は、「everyone says I love you」という題名だった。お馴染みのネタが頭をよぎる。

「みんな言ってるよ」
  ・・・え?なんだろう?
「青木くん、み~んな言ってるよ。みんな、言ってますよ!みんな言ってる・・・。」
  ・・・え?なになに?気になるなあ。
「みんな言ってるよっ!」
  ・・・えー???なんて?なんなんだ?!
「みんな言ってます!!そいじゃ」
  ・・・え、えーっ!!一体、なんのことなんだ???!!!(恐怖)

オチがあったんだね。「愛しているよと」。

10年前のあの日、スカパラのBBSには、大変な数のファンからの追悼コメントが並んだ。

幸せな人生だったと、信じています。

15歳の春。知り合った日のこと、今でもしっかり覚えてる。たぶん、ずっと忘れない。おかげで、僕は、今も、音楽のトリコだ。

改めて、ありがとう。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

(自分によるコメント1)
そう言えば、この晩、どんな曲を、彼がかけていたのか、記録はないけど、一曲だけ思い出した。

それは、Elvis Costelloの「I wanna be loved」だ。

洒落た曲、かけるんだなあって思ったんだ。

コステロに、大勢のひとがキスしていくPV(たしかゴドレー&クレーム作品?)でも有名な曲だ。

「大丈夫だよ。愛されているから」と、今なら、言いたい。 

(自分によるコメント2)

前、墓参りしたとき、線香代わりに、俺もハイライトに火をつけたんだ。半年苦労した禁煙が、そこで終わった。

高一のとき、俺に煙草を教えたのもあいつだったのよ。(笑)

煙草吸ってろよ、と言われた気がしてる。(笑)

そのうち行くからと、伝えて下さい。 

(自分によるコメント3)
音楽の話ばっかりしてたんだねえ、旧友再会としちゃ珍しいでしょ。でも、それがうれしいんだな。そういうところの波長がすごく合った。

楽しい夜だった。

私は、このところのライブ通いで、終わってひとり会場をあとをするとき、高揚して「あぁよかったあ」ってニコニコしながら、思わず独り言が出ることがままある。

11年前のあの晩も、同じようにシアワセな気分だったのだろう。実生活では、今も、娘とのひとときを除いては、ほとんど現れない感情なんだ。当時は、まるで忘れていた感情だった。

だから、逆に、胸に来ない音楽を聴かされる羽目になると、実は、ひどいネガティブが襲ってくる。そういう面倒な人種であることは、対話にもなにか現れている感じ。

青木と知り合えて、良かったと思います。自分の孤独感をすごく埋めてくれた。おかげで、今、生きてるってところもある。

いずれあいつとまた会える。そう思うと、死の恐怖も少しはやわらぐよ。

それまで精一杯生きようと思うよ。

(コメントも、2年前のmixiから転載しました。)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ちなみに、冒頭のみ登場する高木里香ちゃんは、私の友人で、今は、「ハッピー★ホッピー」というウクレレ+パーカッションのデュオで昭和歌謡とかを歌ったり、ウクレレ講師をしたり、活躍中なのだ。昨年は素敵なアルバムも出したし、ライブも積極的だ。「スカパラのファン」だった彼女が、いまや音楽を仕事に出来ている。12年とかいう月日は、そういう長さなんだなあ。

心新たに。・・・と願うばかりだ。

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