編集後記『 We Love 岩下の新生姜 ~ ツイッターから生まれたFANBOOK 』
新生姜ファンブックのこと、制作者のひとりとして、少し長くなりますが、書いておこうと思います。
◆はじまり
私は、Twitterに個人アカウント @shinshoga を持っています。そこそこ昔からアカウントはオープンしていて、親しい友人がmixiやブログからシフトしてきた為、彼らと対話する為に使っていました。でも、それほど積極的な利用というわけではなかった。フォロワーも100人に満たず、ほぼ実際の知り合いに限定した利用でした。
そして、2011年3月の震災をきっかけに、情報が錯綜する中でTwitterの存在を意識した人も多いと思うんですが、私もそのひとりです。SNSの長所と短所を感じながらも、Twitterを眺める時間が長くなってきました。
そして、2011年5月のある日、検索機能をつかって「新生姜」「岩下の新生姜」などをサーチしてみたのです。すると、毎日、平均10~20人の方が、弊社の商品についてツイートをしてくださっていることに気が付きました。その多くは「うまい」とか「好きだ」という内容でした。最初は気を良くしているだけだったのですが、だんだん、お礼を言いたくなり、リプライをかけるようにしたのです。はじめて声をかけるのですから、驚かれますし、不快に思われた方もいらっしゃったかと思うのですが、多くは、好意的に反応を返してくださり、徐々に仲良くなっていきました。
かつて仮名だったアカウント名も、実名「岩下和了」を出し、岩下食品代表取締役である旨も、プロフィールに付け加えました。そうなれば、会社の情報、特に、お客様に伝えて喜んで頂けそうな情報は、当事者・責任者として、私は山のように持ちあわせていますから、新商品の情報や、製法のこだわり、料理などへの活用方法などもツイートするようになっていきました。
それでも、フォローしてくださった方にとってそこそこ面白いものであるように、世間的にはプライベートに属すると思われるであろう内容についても、ツイートを続けました。好きな音楽の話、私の家族の話、経営者としての悩みなどなど。そうしないと、私としても「仕事」感が強まり、おそらく、続けることが出来なかったでしょう。発言の自由さが、Twitterの魅力です。それが実名化によって著しく縮小するのはおかしいと私は思いました。(今でも、半分以上は、仕事に関係しないツイートを繰り返しています。)
しかし、そういった内容の中で、より多くの関心を頂いたのは、なにより新生姜の料理法に関するツイートでした。私が、こうやって食べるのがお薦めと、ちくわのくるくる巻きなどを動画つきで紹介したりすると、リツイートは勿論、実際に作って召し上がってくださる方も増え、更には、ご自身ならではの活用法を、どんどん紹介してくださるようになりました。面白い活用法は、新生姜のファンの方には共有する価値がある情報ととらえ、私も積極的にリツイートして、フォロワーの方々にお見せしていったのです。
だんだんと、その数が増えてきました。弊社商品(9割かた新生姜)に関するツイートは、すべてTwitterの「お気に入り」に登録することにしていましたが、その発言数が1万ツイートを超えたあたりでしょうか、これは、一冊の本にしたら、喜んで頂けるだろうし、宣伝にもなるのではと考えはじめました。特に、新生姜をつかった料理のツイートは、オリジナリティに溢れた、たのしいもので、一度発言したらあっという間に流れて消えてしまうTwitterのみに留めておくのは、あまりにもったいない気がしたのです。
事実、フォロワーさんからも「新生姜のレシピ本をつくってほしい」との要望が寄せられました。~タニタの本の大ヒット以来、柳の下のどじょうを求める出版業界では、食品企業のレシピ本は花盛りです。世の中には、料理の専門家は大勢いるし、その料理を美しく撮影するスタッフも沢山います。なにかひとつの食材を使ってレシピ本をつくるだけなら、企画から出版まであっという間、一丁上がりという世界です。
でも、私は、どちらかというと、レシピ本をつくりたいとは思っていなかった。本として残したかったのは、「岩下の新生姜」という食品を取り囲む「熱」のようなものです。「愛」と言ってもいい。・・・私は、何より、自社製品がこれほどまでに愛されていることを知り、ツイートを読む度、感謝の連続でした。おそらく、私自身がこれまで一番多くつぶやいた言葉は「新生姜」よりも「岩下」よりも「ありがとうございます。」だったことと思います。・・・それくらい、感謝の連続だったのです。商品を売る側の人間は、お金を頂戴して、商品を届けます。「ありがとう」というだけでない何かで、報いたい気持ちがありました。本のかたちで、それが残るなら、きっと喜んで頂けるに違いないとも。
Twitterという文化は、始まったばかりですが、技術革新によって、もっといいコンテンツに取って代わられる日がいずれ来るでしょう。おそらくは近い未来に。でも、2012年のTwitterは、こんな姿も現していたんだという。文化史的にも、意味があるような気がしました。
Twitterに関する本は山のように出版されていますが、実際に多くのひとのツイートを集めた本は、私は、見たことがありません。おそらく、掲載の許諾を受けるのが大変だし、本にしてしまうと、Twitterの即時性は失われますから、読んで面白いものではなくなるからでしょう。・・・許諾は事実大変だとしても、即時性や対話の妙が失われた記録として読んだとき、新生姜偏愛のツイート群は、果たしてつまらないだろうか・・・私は、そうは思いませんでした。
今の時代は、誰もが、人とは違う「なにか」を大切にすることで、いのちをつないでいる時代のような気がします。なにかを深く愛するということは、それを愛さないひとにとっては滑稽な姿に見えかねませんが、実は、むしろ、人生にとってとても大事なことなのだと私は思います。ひとつの食材に対する深い関心・愛着。それは、政治不信・増税・社会保障不安・原発問題など、暗い思いに溢れる時代に、ほんの小さなものではあるけれど「光」として存在するものであり、それを大切にするかどうかで、人生の意味は変わってくるのだと、私は思っているのです。
「岩下の新生姜」のファンは、そういう「光」を見出すことが出来る人達だ。ならば、その記録もまた、ひとつの「光」になるはずだ。そう思いました。・・・それで、最近流行りの企業レシピ本という体裁を取りながら、実際には、まったくオリジナルな本をつくろうと考えたのです。ファンブック。その発想を実現する出版社も見つかり、素晴らしい編集スタッフも手配してくれました。
「岩下の新生姜」の本。これまでABCクッキングスクールとのコラボの『岩下の新生姜でつくる カンタン!キレイ!夏のツヤ肌レシピ!』など、小冊子は何回か出したことがありますが、一般書店で流通する、ちゃんとした書籍は初めてです。そして、当分、2冊めを作る予定はありません。岩下の新生姜に関する唯一の書籍となります。
◆制作中
最初は、スタッフに任せて編集は進行していたのですが、どうも雰囲気が、ツイートを10〜20載せれば十分と考えられていたことがわかりました。そこで、私の方から、せめて100人、出来れば300人はツイートを載せたいと伝えました。だって、制作開始までに頂いていた新生姜に関するツイートは3万ツイート以上、つぶやいてくださったのは6,000人に及んでいました。その熱気を、数で示したいと、伝えました。
編集スタッフからは「ツイートを載せる全員から掲載許諾を受けることをはじめ、大変な作業になりますが、社長の手を借りられるならやりましょう」と言って頂きました。「喜んで!」この本がTwitterを核とする以上、私が直接フォロワーさんとお話しないことには、話は進みません。そこから2ヶ月、えらい作業が待っていました。
まず、私が「お気に入り」に入れてあった30,000ツイート以上を全部読み返して、その中からツイートを選んでいきました。最初は、商品に関するツイート数の多い方から順にツイートを見ていきました。編集スタッフからは「ひとり1ツイート」に限定しましょうと言われていました。これは悩みの種でしたが、なるべく多くの方の声をという、現実的な判断としては正しかったと思います。ごく稀に例外を設けましたが、おひとり1ツイートの裏には、それぞれの方に、他にも沢山の熱いツイートがあることを、感じて頂けたらなあと思っています。
そして、誌面制約から、ツイートを選べなかった方の中にも、非常に熱いツイートがたっくさんありました。掲載できなかったこと、本当に申し訳なく感じています。ごめんなさい!!!
中ほどの2ページ分だけ、出版社が新生姜ファンの有名人のかたを探してきて、インタビューを敢行、記事にさせて頂いたページがあります。でも、それ以外は、全てが、私がTwitterで拾った過去のツイートであり、或いは、ツイートをきっかけにした人間関係によるものです。掲載されているツイートは、生の声。本に載せることを前提につぶやいてもらうような「仕込み」も一切ありません。
「仕込み」と言うなら、レシピ募集だけは、本に載せるということを前提に、短い期間しました。しかし、その募集も、以前からのフォロワーの方に伝えられたもので、選ばれた全員が、実際にファンの方でした。選ばれた方への特別な景品があったわけでもありません。(選ばれた方、ごめんなさい。)いわゆるステル・マーケティングとは異質のものであることを大事にしたかったのです。
某オークションサイトをはじめ、「仕込み」が全盛の時代です。弊社だって、広告か記事か、一見しただけだとわからないような雑誌広告を出したりもします。そして、一概に、それが悪いとも言えない。どんな広告でも、そのおかげで、商品が実際に利用され、それで喜んで頂けるなら、広告の社会的意義はあると、私は思います。
でも、この本くらいは、「ピュアな声」にこだわって、つくりたかった。なぜなら、発言されていた方が、みなさん、ピュアだからです。だからこそ、私も大いに励まされてきた。それを大事にしたかったのです。
それだけに、編集作業は、ものすごく手間のかかるものでした。私の時間は、2ヶ月ほど、この本の制作に奪われたと言ってよいと思います。
◆ツイートページに登場いただいた方々
過去の何気ないつぶやきの書籍への転載を許して下さった方々。本当は、その幅の広さ、お一人お一人の魅力について、せめてプロフィールは掲載したかったのですが、誌面制約と掲載許諾手続きの関係で、断念しました。ここで、少しだけ紹介しますと、学生、主婦、会社員、雑誌編集者、ミュージシャン(スカ、パンク、ジャズ、ボサノヴァ、カントリー、ゴスペル、渋谷系等々)、舞台女優、アイドル、コスプレイヤー、タップダンサー、小料理店、指圧師、マンガ家、絵本作家、ノンフィクション作家、DJ、声優、アメリカ留学生、台湾在住の学生、社会運動家、ラグビーコーチ等々等々。皆さん、新生姜についても熱いけれど、まず、ご自身の人生に熱い方々でした。
また、ほんの少しだけ、過去ツイートの転載のかたちで登場頂いた方々のこと、著名な方を、抜き出してみます。
東京スカパラダイスオーケストラ(川上つよし・沖祐市・大森はじめ)のお三方にも、私がメンバーの古い友人ということもあって相互フォローして頂いているのですが、過去ツイートの掲載、即答で許して頂きました。実は、すごくうれしかった。今年、スカパラの代々木でのコンサートを見て、彼らには、僕が知る「音楽家」という側面の他に「スター」とか「ファッションリーダー」というような側面もあり、それは、彼らだけではない、素晴らしいスタッフが総力を結集して、イメージを作っているという気がしました。それだけに、転載OKくれるかなあと、ちょっとドキドキしたし、なんだか友人を、ビジネスに使うようじゃ情けないとも思って気後れしたのです。私は、彼らのCD、DVDは常に買っているし、ライブも時々行くけど、おごってもらうのは嫌で、今回もファンクラブに入り直してチケットを取った。そういうセコいところが、俺のめんどくささそのものかもしれない。気持よく受け取っておけばいいんだよって、そう言われるかもしれません。で、今回は「ありがとう」と答え、転載させて頂きました。同じ本に、スカパラのファン(もちろん新生姜ファン)もいっぱい登場して頂いてます。
あべ静江さん。偶然見かけた一年前のツイートを掲載させてくださいと、はじめてDMしたとき、すぐお返事をくださって、即電話。素敵なお人柄に、すっかりファンになってしまいました。その後、彼女が出演する「同窓会コンサート」に出かけ、直接の面会。過去の歌も大切にされているし、芸能界長くいらっしゃる方らしい、気づかい、優しさに打たれました。
小川美潮さん。岩下食品のテレビCMの音楽は、基本的に代理店が選びます。人選に口を挟んだことはありません。で、誰が来るかは偶然なんですけど、実は、美潮さんには、10年ほど前に、中村雅俊さん出演で「岩下のピリ辛らっきょう」のCMを制作した際に、ジングルを歌って頂いたのです。代理店の人選で!めちゃめちゃうれしかった!高校大学時代、チャクラ〜ソロの初期、美潮さん、大好きで、コンサートにも通っていたのです。今は、私が一番好きなミュージシャン渋谷毅さんと共演される機会が多くて、お二人のライブは本当に素晴らしいのです。天賦の声。神様がこの世につかわした歌姫だと思います。でも、新生姜についての言葉、あったかなあ。美潮さんの言葉は、特別に載せたかったので、探したら、ありました。ひとつだけ。発見してダッシュで掲載をお願い。許してくださってうれしかった。
新進気鋭のロックバンド、Over Arm Throw のKIKUさん。何度も新生姜愛を語ってくださって、私も全部CDを聴かせて頂いて、やっぱり熱い。ファンも、スタッフも熱いんです。KIKUさんも、すぐに「よろこんで」とお返事を。ありがとうございました。
KIKUさんとのやり取りを目にした、マキシマム ザ ホルモン のナヲさんともTwitter上で、やり取りさせて頂いて。新生姜大ファンなのだとのことで、うれしかった♪こちらも、ナヲさんと事務所ミミカジルさんのご厚意で、すぐに掲載のお許しを頂きました。掲載許諾のやり取りをきっかけに、ナヲさんとメールを時々交わさせて頂いていて、「すっごく、わかってらっしゃる方々なんだ!ただ、人気者なのではない」と確信しました。もう、最近は、誰かに会う度に、「ナヲさん、素敵。すっごくいい人」と、自慢し続けている私です。
ヒックスヴィルの真城めぐみさん。小沢健二さんのライブで、誰もが大好きになるめぐみさんです。共通の友人がいたこともありましたが、何度か思いがけず新生姜のこと話題にしてくださっていて、転載を許してくださいました。彼女の掲載は、自分へのプレゼントでもありました。オザケンは、青春そのものだったから。
久住昌之さん。今や「花のズボラ飯」「孤独のグルメ」の原作者として時の人ですが、私は高校時代からの大ファン。随分前からフォローしていたのですが、2011年に高橋香織さんのライブでゲスト出演された久住さんの歌に感激して、メッセージを送ったら「え?新生姜、大好物ですよ」とのお言葉。当時、狂喜しました。最新アルバム「ミュージコミクス」名盤ですよ!ぜひぜひ。
アイドルグループAeLL.の西恵利香さん。えりす。えりすさんは、新生姜のファンを公言してくださっていて、それをライブでもお話になっていたことを、ファンの方のツイートで目にして、私が御礼を申し上げたところから交流が始まって、コンサートも行きましたが、ファンのみなさんも、あたたかくて、アイドルの最高のかたちではないかなどと思っています。今年、念願のファーストアルバムを出しました。うれしかった。
栞菜さん。元℃uteの有原栞菜さんです。脱退後は、舞台などで活躍中。ハロプロ脱退後も、熱いファンに囲まれている。私も、すっかり彼女の魅力にはまってしまった一人です。彼女は、若いけど、いろんな経験を積んで、苦労もされている。そのせいなのか、持って生まれたものなのか、瞳の奥から見つめるような視線が美しい女優さんです。来春には初の主演映画が公開される。作品に恵まれることを、心から祈っています。栞菜さんが新生姜好きだということも、ファンの方のツイートで知りました。
池田聡さん。「モノクローム・ヴィーナス」などの大ヒットで有名な、素晴らしいシンガーです。今年、久しぶりのアルバム『いまさらの恋』が発売されました。素敵だった・・・。池田さんのアルバムは数枚私も聴いていたので、新生姜のツイートを発見したときは、とてもうれしかったです。その後、同郷ということも知り、時々、お話させて頂いてます。ツイートの転載も「喜んで」と言ってくださって、この本に大人の魅力が加わったような気がします。
伝説のガールズ・パンク・バンド、ロリータ18号のベーシストたこちさん。「新生姜」でエゴサーチしてるときに、アンディ・ウォホールばりのカッコイイ写真で新生姜のこと呟いてくださってるのを発見したのがご縁で。大好きなベーシストかわいしのぶさんのことで盛り上がったりしながら、交流を深めました。
絵本作家の塚本やすしさん。椎名誠さんとの共著など、たくさんの素敵な絵本を描いてらっしゃいます。Twitterで、初めてオフ会のようなものをしたのは、彼が最初でした。「北千住なう」とかつぶやいたら「飲みましょう。今から行きます」って。やっぱり新生姜のツイートを頂いて、仲良くなりました。
石丸元章さん。無頼。たしか、Twitterでの出会いは「大王製紙のおん曹司みたいに、狂ったら面白いけど…。狂わないだろうなあ。」というようなツイートでしたが。たぶん、私は、その製紙会社の社長とは別の狂い方は、既に十分しているので、そのせいか、なかよくして頂きました。ご自身とドラッグのことを書かれた「スピード」「アフター・スピード」に、私は、なんというか、すっごく、「自由」を感じてしまい、文体も含め、大ファンになってしまったのです。実は、元章さんは、この本の制作期間中、自ら、外部との接触を絶って入院しておられたので、彼のツイートだけは、不許可掲載なのです。許可を得ずに転載させて頂いたのは、元章さんだけでした。(事後承諾を頂きました。)どうしても載せたかった。でも、図々しいことをしました。ごめんなさい。
水谷浩章さん。吉田隆一さん。牟田昌広さん。はぎさわ亜矢さん。山内三咲さん。小林希瑳さん。カポウさん。THE BEERSのちか17さん・・・。素晴らしい音楽家、俳優の方々に頂いていた新生姜に関するツイート、音楽を知るだけに、新生姜を好きでいてくださって、それから転載を快く認めてくださって、本当にありがたく感じています。他にも、ミュージシャン、俳優のみなさん、沢山、いらっしゃって、私は、みなさんの作品に触れたい気持ちでいっぱいです。
でも、本当は、そういう有名な方々や、音楽やお芝居や書籍、或いはコスプレなどに、特別な表現の機会をもってらっしゃる方々だけでなく、市井のみなさんの声に、日々、励まされ続けています。ご家族のために一生懸命な方々。仕事を心底がんばられて帰宅して晩酌に新生姜という方々。青春の悩みを抱えながら、恋に勉強に励まれている方々。・・・日々、「新生姜おいしい」と、つぶやいてくださるみなさんに、心から感謝しています。
なにかを好きになるということは、とても大事なことです。それが「岩下の新生姜」であるなら、勿論、うれしい。
大好きな山田太一の「早春スケッチブック」から、新生姜のファンのみなさまに、感謝を込めて、この言葉を抜き出します。
「なにか好きなものがあるということは素晴らしいことなんだ。 - なにかを好きになり、細かな味も分って来るというのは、とても大切なことなんだ。そういうことが魂を細やかにするんだ。マンガでもロックでも、深く好きになれる人は、他のものも深く好きになれる。 - 肝心なのは、夢中になっているということなんだ。なにかに、深く心をそそいでいるということなんだ。それが心を育てるんだ。それに比べれば勉強が出来るなんてことはつまらないことだ。 - なにかを深く好きになることが必要だ。しかしそれは、ほっといて出来ることじゃない。好きになる訓練をしなければいけない。 - マンガが好きならマンガでもいい。ただ、気持のままに読み散らしているんじゃいけない。細かな魅力を分ろうとしなければいけない。すると、誰のがチャチで、誰のがいい味だというようなことが分って来る。もっと深い味が欲しくなる。もっと複雑な魅力が欲しくなる。それはもうマンガじゃあ駄目だということになったら、他のものを求めればいい。その分、君の心は豊かになっている。 - 好きなものがないというのはとても恥ずかしいことだ。なにかを無理にでも好きになろうとしなければいけない。若いうちは、特に、なにかを好きになる訓練をしなければいけない。 - なにかを好きになり、夢中になるところまで行けるのは、素晴らしい能力なんだ。物や人を深く愛せるというのは誰もが持てるというものじゃない、大切な能力なんだ。努力しなければ持つことが出来ない能力なんだ」
◆本書のみどころ
『We Love 岩下の新生姜』は、当初、新生姜をつかったレシピ本として、制作されました。それだけに、最初、ツイートを選んでいくときの基準は、多様なレシピを提示することにもありました。それだけに、掲載レシピ数は、細かく見ていくと、なんと200レシピ以上にも及びます。それぞれに工夫があり、実際にファンの方に召し上がって頂いたレシピが大半です。ぜひ、いろんなシチュエーションで、いろんな料理にお試し頂きたいです。
マガジンハウスに取材をして頂き、台湾の産地・第一次加工場、そして、国内の包装工場まで公開しています。食の安心・安全という課題に応えようとしている姿を、ご確認頂ければと思います。
生姜の効能についても、平柳要准教授から詳しい解説を頂きました。生姜の効果・効能をご確認いただき、体によい生姜を、日常的にたっぷり召し上がるなら、ぜひ、辛すぎず食べやすく、なにより、おいしい「岩下の新生姜」を活用頂きたいと願っています。
そして、p.81には、私の「人生のピーク」とおもわれる3ショットと鼎談記事が掲載されています。もはや、個人的な領域です。ご笑覧ください。柴草玲さん。かわいしのぶさん。私の大好きな、最高のミュージシャンです。特別に、ご出演いただきました。
◆おわりに
やっぱり長い文章になりました。でも、本当は、この10倍くらいは、書きたいことがあります。ぜひ、手にとってほしい。そう願ってやみません。
なにか(たとえば、岩下の新生姜)を「大好き」な人達が、あたらしい「大好き」な人達を創りだしていく姿、Twitterでは日常的に見てきました。ありがたいことだと、送り手として感謝すると同時に、そういうことが、世の中を熱くするのだとも、心底思っています。
どうか『We Love 岩下の新生姜』をよろしくおねがいします。そして、これからも「岩下の新生姜」を、たくさんの方に愛して頂けるように、社員みんなで、精一杯、がんばってまいります。
岩下食品株式会社 代表取締役 岩下和了
P.S. 岩下の新生姜 Love You
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- 編集後記『 We Love 岩下の新生姜 ~ ツイッターから生まれたFANBOOK 』(2012.12.27)
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